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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





「雛鶴!時間がねぇだろう、
最初に飲ませたのが効かねぇのなら
症状から何かわからねぇのか?」

「症状…」

雛鶴は少しだけ落ち着きを取り戻し
睦の目を開かせてみたり
脈をはかったり、身体のあちこちを
調べ出した。
汗をかきながら苦しそうにする
睦の冷たくなった手を強く握り

「睦…何でお前がこんな…」

自分の頬に押し当てた。

「天元様…解毒剤を注射します」

「…注射…。さっき錠剤飲ませちまった。
問題ねぇのか」

「大丈夫です。注射の方が早い。
コレを打てばきっと効果はありますから」

雛鶴は一本の細い注射器を取り出した。

「それは…?」

「…難しいお話、お聞きになりますか?」

にっこりと笑った雛鶴だが
切羽詰まった空気がびしびし伝わって来て
細かい説明なんか聞いてる場合じゃねぇと悟る。

「お前に任せる。睦を助けてくれ」

大丈夫、というかのような
力強い笑みを浮かべて
雛鶴は睦の救命に全力を注いだ。




俺はと言えば
ただ祈るだけ。

何が出来るでもない自分にただ絶望した。

相変わらず震えていて
冷え切った指先。
もしかしたらこいつがこのまま
死んでしまうんじゃないかと思ったら
俺こそ震えが止まらなくなった。

もしそんな事になったら、
自分の弟だろうが
生かしておける自信はなかった…













どこまでも続く、長い道。
照りつける陽射しは強く、
眩暈をおこしてしまいそうだった。

もうどれだけここを歩いているだろう。
舗装されていない道の両橋には
背の高い椰子の木が並び、
その向こうには穏やかな海が見えた。

あ、いつも眺めていた海だ。
いつか一緒に行きたいなって思っていたの、
……
一緒に、って…
私、あそこに誰と行きたかったんだっけ…

足を止めて、つい考え込んでいた私に
ぽたぽたと大粒の雨が降って来た。
空を見上げると、真っ青に晴れた空。
…狐の嫁入り?
雲ひとつない晴れ空なのに、
私を確実に濡らしていく。

…なんだろう。
激しく……
違和感が…。

だって。
だいたいここはどこだろう。

私ここで何してるんだっけ。
いつから歩いてたんだっけ。
どこへ行くんだろう。

何ひとつわからない。


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