第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
私の目が何を訴えているのかが
わかったらしい2人は、
え?と目を泳がせた。
「雛鶴みたいに立派な話はないよ!」
「私もですー!雛鶴さんの後は話しにくいから」
「……」
それでも私は聞きたいと思った。
「話しては、下さいませんか…?」
そうする事で、
彼の人となりがわかるような気がしたから。
単なる私のわがままだ。
「んー…私は…」
まきをさんが話しにくそうに言葉を紡ぎ出す。
「それなりにいい暮らしをしてたよ。
っていうのも、この国の王族と
遠い親戚だったんだ」
「えー⁉︎じゃあ天元様とも?」
「一応レベルだよ。そこまで近しくはない。
でもよからぬヤツはいるもんでね、
王族と繋がりがあるとわかった途端に
私と結婚したいって輩が現れたんだ。
でもそれが、女を食いものにするような
卑劣な国の王で…。しかも老ぼれだ、
エロじじいめ」
当時を思い出したらしいまきをさんは
虚空を睨みつけて吐き出すように言った。
でもそれをふっと和らげて、
「だけど、それを知った天元様が、
そんなとこ行くくらいなら俺の方がマシだろって
言って下さって…」
…言いそう。
すごく。
「私の事を助けて下さったんだ。
マシどころの話じゃないよ。
両親もそりゃあ喜んで、私の顔も立ったっていうか
…天元様に救って戴いた」
穏やかに笑ったまきをさんの顔は
とても幸せそうだった。
残るは……
「えー…私のこと見ないで下さいよー。
私のはホントにいいですから…」
頬を染めて拒否する須磨さん。
でも、
「私たちだけ話すなんておかしいだろ!」
まきをさんに一喝されて
おずおずとこちらを向いた。
「私はー…雛鶴さんほど立派ではないですけど
一応、王女という立場でした。
ホントに小さな国で、今にも潰れそうな。
でも鉱石がよく採れて…
そこに目をつけた天元様がうちの国に
貿易を申し込んで下さったんです。
そしたら父が、貿易の証に私を差し出したんです」
……え?
「母が亡くなって、後妻を迎えたばかりの父が
私を邪魔に思っている事を、天元様は
見抜いたんでしょうね。
快く受けて下さいました。
私に恥をかかせる事なく、…」
なんて事だ。
全部、物語のように素敵な話だった。
「…素敵なお話、ありがとうございます…」
私はちょっと嬉しくなった。
