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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





天元とは私よりも付き合いが長いのだ。
情も深いだろうに、
さっきの言われ方は
まるで私だけが淋しんでいるかのようだった。
それとも、こんな事は
もう慣れきってしまっているのだろうか。
…それはあり得る。

「あ…違いましたか?
なんだか気落ちしていたように見えたから」

雛鶴さんは申し訳なさそうに
口元に手を添えた。
ひとつひとつの仕種が
とっても洗練されている…
いいとこの出だという事が一目でわかる。

そう、
私が気落ちしているように見えたのだとしたら
それが原因だ。
別に淋しいからだけなわけではない。

「そりゃあ私たちも淋しいよ。
でも、ここに居させてもらってるだけでも
充分ありがたいからね」

まきをさんが頬杖をついて遠い目をする。

…居させてもらっているだけで、
アリガタイ…?
幸せ、ではなくて?

少しずつ違和感を感じながらも
私はやっぱりクッキーが気になっていた。

雛鶴さんのまじないクッキー…
おいしそうだし。

「睦さん、食べてもいいんですよー?
それ、ほんとにおいしいですから!」

ミルクティーを注ぎながら須磨さんはご機嫌。
…本当に楽しそうだ。

その雰囲気につられるように、
私はクッキーを一枚手に取り
ぼんやりとひと口かじってみた。
ザクっとした食感と共に広がるバターの味。

「おいしっ!」

私の庶民たる所以だ。
いちいち口に出る。
しかもおよそ上品ではない。
故に、この場に相応しくない!

「ねー!おいしいですよね⁉︎
私、そのクッキーを
このミルクティーに浸して食べるのが
1番の幸せなんですよ!」

「え?1番の?」

「安いな須磨。ねぇ、睦さん?」

まきをさんが私の顔を覗き込む。
何と答えるべきか、考えあぐねていると

「ひどいです!こういう、
小さな事が
ホントの幸せだったりするんですよー?」

負けじと言い返した須磨さんが息巻く。

「それは…わかる気がします」

奥歯でザクザクを楽しんでいた私は、
須磨さんの言葉に
殊の外、賛同してしまう。

小さな事が、幸せ。
普通でいられる事って実はすごく幸せなんだ。

「…それは、何の事をおっしゃっているの?」

不意に、雛鶴さんに声をかけられ、
私は戸惑った。

「…何、でしょう…」


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