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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





それでも、
周りに誰もいないのをいい事に
私は指先で、弦に触れる…。

到底、音楽とは言いがたい
拙い音の羅列を
私は無尽にかなでていく。


今朝目を覚ますと、
宣言通り彼はいなくなっていた。
…いや、そんなの当たり前なんだけど。
何だかぽっかり、心に穴が空いたみたいで
彼と過ごした場所にはいられなかった。

3日、って…長いな…

…長いかな。
長くはないよね。
あっという間だよ。

………そうかな。

あーぁあ…

…雲になりたい…

ゆらゆら揺れるブランコは景色も揺らす。
背もたれに思い切り体を預けて
空を見上げていた私は、
ただただぼーっとしていた。
魂が抜けたように。
ビワンビワンとそぐわない音がして
その音に引き寄せられたのは、
可愛らしい小鳥でも、苦情の執事でもなく。

「…素敵な音色」
「初めて聴く音…」
「なんていう楽器ですかー?」

きれいなお姉さん×3だった。

私はがばっと身を起こし
そのせいでブランコは激しく揺れた。

庭園の入り口には、極上の美女。
あぁあああ!
会っちゃった!
こうなってしまっては
もう逃げるわけにはいかない…

「こ…こんちには…。ごめんなさい、
とんだお耳汚しを」

私は楽器を両手で抱え込み俯こうとして…
ある事に気がついた。

「あのっ、ご挨拶にも伺わず
申し訳ありませんでした。
アイ……睦と申します」

ここで偽名を使うのもどうかと思い
ちゃんと本当の名前を名乗ってから
ブランコから降り、
ピシッと立ち、ペコッと頭を下げた。
ベンチ型ブランコに残したシタールをサッと持ち
サクッと立ち去ろうとした私を…

「睦さん…?
ちょっとお話をしませんか?」

……キタぁ…
そうだよね、これだけで解放されるわけがない。
わかってはいたけれど…。

去ろうとした格好のまま硬直した私に
6つの目が集中している。

……何の用だろう。
何を言われるのだろう。
怖いけれど、…逃げてばかりも居られない。

私はそんな気持ちを隠して、
彼女たちを振り返った。
できるだけ何でもないフリをして。

それがどうしてかなんて…
そんなの、
自分たちと引けを取らないと思われたかったから。
私の、見栄だ。


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