第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
うまいの、って…
「葡萄のこと…?食べる…」
お前も食べるかと言われて
彼に食べさせられるような事になれば
もっとひどい事になりそうで
私は果物が盛られた銀のお皿を振り返る。
掴まれていない方の手を
その葡萄の方に伸ばしたが
「ホラ」
と声をかけられて
え?と、素直に天元の方を向いてしまった。
…私の、なんて浅はかな事か。
振り向き様に口内に入れられたのは
あろう事か私の指だ。
さっきまで、彼が咥えていた。
「…んう…!」
「甘くて、うまいだろ?」
咥えた指の、手の甲にちゅっとキスをして
間近で私の目を見つめて彼が言う。
色に溺れるにも程がある。
何をしているかわかっているんだろうか…
思考がついていけない。
私の考えの域を軽く飛び越えていた。
こんな事されるなんて…
「ぁう…やぁ…っ」
首を振って離してほしい旨を伝えるのに
妖しい目つきで私を見つめるばかりの彼は
追い討ちをかけるように
「…俺の味もする?」
なんて、頭のおかしい事を言ってくる。
何度もかぶりを振り拒否するのに
聞き届けられることはなかった。
「ぃやら…っ」
「美味いのに」
もう困惑するのや、恥ずかしいのや
いろいろ入り混じった私は
目から涙を零しながら
懇願するように彼を見上げる。
「…それ逆効果だぞ睦。
めっちゃそそるから」
「…っ⁉︎」
じゃあどうすればいいのよ!
キッと睨むと、
甘い雰囲気を壊される事を恐れたのか
呆気なく私の手を解放し、
「悪ィ悪ィ、ほら、ちゃんとやるから」
そういいながら
葡萄をひと粒もいで
私の口元に運んだ。
私はそれを口に入れてしまう。
最初に警戒した事をすっかり忘れて…。
「…っんぁ…!」
まぁるくて大きめの粒の
葡萄と共に侵入した彼の指。
私の舌に葡萄を押し付けて潰されると
甘い葡萄の味が口いっぱいに広がった。
でもそんなの味わっている場合じゃない。
もうそのうち、
私までおかしくなってきた。
どこが真ん中なのかわからなくなって、
道を踏み外していく…
「…ぁ、ふ…んく…っ」
必死になって彼の指をしゃぶってしまう私を
色っぽい目で見下ろしながら
「今度俺のもそうやってシて…?」
「…ん…?」
よくわからない事を言われて
閉じていた目を開くと
欲に塗れた彼が見えた。