第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
私だって鈍くはないつもりだ。
謝罪の理由なんてわかりきっている。
その理由を話しにくい事もわかっている。
「…ここに居ようが居まいが、
私が両親と会える事は皆無だよ」
私は彼の胸に手を置いて
そっと寄り添った。
さっきの謝罪…
あれは、
俺のわがままでお前を縛りつけたばっかりに
両親に会わせてやれなくてごめん、
っていう意味のように聞こえた。
でも、この人に囚われたから
会えないわけじゃない。
お互いに世界中を動き回っている私たちが
出会える確率なんてほぼゼロだ。
天元のせいなんかじゃ決してない。
それでなくても、
「私は……そりゃ最初は、
ここから飛び降りて
逃げるか死ぬかしてやろうとも思ったけど…」
「おい…!」
「聞いて!今は違うから!今は…
もう少しここにいても、いいかなって…」
「…もう少しって事ねぇだろ…?」
そう。
『もう少し』なんて、ほんの照れ隠し。
そんなもの、お見通しの彼は
突如、恋人モードに切り替えて……
だから…ついていけない私は
しどろもどろになって
「なによ…もう少しで充分…」
一度言った事を引っこめる事もできず
意地を張る。
「はいはい。その照れるヤツ、
そろそろどうにかしたらどうだ。
隠したって俺には通用しねぇぞ」
顔を上げてこちらを向いた。
彼が動いた事で、私もつい見上げてしまい、
ぱちっと合った目を、逸らせなくなる。
あぁこんなに近くにいる…
「なぁ睦…代わりになんか
なるかどうかはわからねぇが…」
息の触れ合う距離に…
「俺が…」
少しだけ背筋を伸ばせば、
触れてしまいそうなほど…
「両親の代わりに、俺がそばにいてやるから…」
優しい囁きが、私の唇をくすぐる…
「ずっと…ここに居ると、言ってくれないか…?」
触れるか触れないかの所で喋られて
私は体が震えるのを感じた。
「…っ…ん…」
触れるなら触れてほしい。
こんな焦らすような手口、…ずるい。
「睦…」
答えを求める甘えた声。
うまく使い分け過ぎでしょ…?
わかっていて引っかかる自分もどうかしてる。
「…ん…そばに、居てくれる、の…?」
「あぁ、居てやる。ずっと…」
「私に、…淋しい思い、させない?」