第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
一瞬、何が起こったか理解ができなくて
理解した所で拒否することもできない…
いやいや、
拒否できないとか言ってる場合じゃない。
この人誤解してるのに…!
とんとんとんと掌で肩を叩くけれど
その指に彼の指を絡められてしまう。
「んっ…んん…!」
やめてもらわないと、説明もできない。
焦って、身を引こうとすればするほど
口づけは強く激しいものに変わっていく。
それに伴って、
嚙み付くようなそのキスは
私の思考をどんどん奪っていった。
俺のこと以外考えるなと
暗に言っているのだろう…
わかっているけれど…
「…ちっ…がう!」
舌を絡め取られる瞬間、
やっと作った唇の隙間から
何とか声を絞り出す。
あんなキスをされて
私だっておかしくならないわけじゃない。
それでも何とか理性を保ち
彼を押しのけるのは至難の技…
…と、それはちょっと言い過ぎ…?
「恋人か。まだ想ってる?
だから、引き裂いた俺をあんなに嫌ってたのか」
悲しいような怒ったような
複雑な表情をした天元が
両手で私の頭を抱えて訴えている。
……
「……ふふ…」
必死だ。
私の事を想って、必死になっている。
それが何だか嬉しくて、
私はつい笑いを洩らしてしまった。
「おま…っ、笑うとこじゃねぇだろ!」
片眉を上げて、腑に落ちないと顔に書いた天元は
思い切り怒りの声を上げる。
それがまた私の笑いを誘った。
「ふふ、だって…私、恋人なんていた事ないもの。
さっきの話は、私の父の話よ?」
笑いを堪えきれず
くすくすと笑いながら
私はやっと事の真相を彼に話すことができた。
「…父親?」
「そう、今は母とふたりで世界中を旅しているの。
一人娘を置き去りにして恋人気分だわ」
ちょっと険のある言い方をしたけれど、
本当は我が親ながら
とても素敵な2人だと思っていた。
だって、いつまでも恋人のようにいられるなんて
とても憧れる。
あんなふうになりたいな、なんて思っていたけれど
…なれるかな…?
そう思いながら私は彼の顔を見上げてみた。
そんな私の視線を受け止めながら
「それなら最初からそう言えよ。
誤解を招くような言い方しやがって…」
軽くいじけて見せる。
「天元が私の事を笑うからよ」
じろりと睨め上げると、
「お前が可愛いからだって言ってんだろ」
