• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





「受け取れない⁉︎
お前そんなこと許されると思ってんのか⁉︎」

心底呆れたような目で私を見下ろし
やや強めに私を責める。
いやいやいやいや、だってさぁ…

「ムリよ、ムリ!
そんな物、私に見合わないもの」

「おいそんな物ってなんだ!
だいたいお前、自分が誰の女だと思ってんだよ!
俺の女だぞ?見合わねぇワケねぇだろうが」

その言い方は大いに気に食わないが、
確かに失礼だ。
誰からであろうと
贈り物はありがたくおさめるのが道理だ。
でも…でもー!

「だって…いきなりそんな…
もうちょっと段階を踏むとか…
私庶民なんだよ?」

「睦はもう庶民じゃねぇの。
俺の大事だ。自覚しろ」

私の手を捕まえたまま、
空いた片手で器用に箱を開けて
ペンダントを取り出すと
私の後ろに回り……

「ちょっと!つけようとしてる!」

「当たり前ぇだろ。睦が言ったんだ。
『女に贈るものは時間を割き
自らの目で選び、心から贈りたいと思った物を
見極めるのが当然』だって。
だから俺は今日、公務の合間に自分で…
ちゃんとお前のことを思いながら選んで来たんだ」

「……そんな偉そうなこと言ったかしら」

とぼけた所で、
改めて聞かされると申し訳なくなってくる。

「おぉ、言ったなぁ。
この俺様に向かって、あんな偉そうな事を。
俺は一言一句忘れねぇぞ」

不機嫌そうな声の割に、
ペンダントをつけてくれる手つきは優しげで
本気で機嫌をそこねているわけではないのかなと
少しだけホッとした。

シャラっと音を立てるペンダント。
結局、つけられてしまった…。

「ホラ、よく似合ってる」

彼は私の前に回って、満足げに頷いている。
似合う、かどうかはわからない。
でも……

「…きれい」

金古美の、
正円の枠にぴったりとはめられた石は、
指で持ち上げるとキラキラ光る
紅がかった赤色だ。
宝石には詳しくない。
でも、高価な物にちがいなかった。
だって光り方が違うもの。

「睦…」

石に魅入っていた私は、
完全に気がそれていた。
目の前の彼のことをすっかり忘れていた。
その彼が、私を見つめていた事にも
気づかずに。

「…そんな顔できんのか」

気がつくと広い胸に抱きしめられていた。


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp