第20章 旱天慈雨
「…ふ、わかってんのか」
「わかってて、言いました…」
ふと目を伏せ、
睦から口づけをくれる。
「珍しいな、」
あからさまに俺を受け入れるなんて。
「私には、天元しかいないって思い知ったの」
額を合わせて
睦はにっこりと笑った。
「やっとか」
「うん。遅くて、ごめんね」
「…遅くてもいい。
ちゃんと伝わったなら」
そっと唇を合わせると
伸びてきた腕が俺の頭を抱いて
意図的に深められる。
本当に、その気なのか。
俺にとっては、ありがたい状況だ。
さっき、睦に伝えたはずの
こいつのいかに可愛くて愛しいかを
言葉にした事で、
それを再確認してしまった俺は
最早睦を愛したくてしょうがない。
それを、
すんなりと受け入れてもらえるなど
願ったり叶ったり。
いつもなら、乱し弄ぶ胸元もそのまま、
両膝を押し開き
そこを自分の膝で挟むように添わせて
ゆっくりと挿入…
「…っ待っ、て!きゅ、急、すぎ…!」
俺の肩に手を掛け
慌てたように言った。
そんな睦に、口づけ。
と、同時に押し入る。
「っん…!」
全身を引き攣らせ、喉元を仰け反らせた。
肩に置かれた手が拳を握ったのがわかる。
『急すぎる』と言っていた割に
すんなりと俺を受け入れただけあって、
すっかり出来上がっていた。
下から斜め上を目掛けて突き上げると
「…っんゔぅ…っ」
おかしな声を上げて器用にずり上がる。
あぁ、これイイんだなと思った俺は
同じ所を狙って突き上げ続けた。
「んふ、んんん″っ!」
首を振って抵抗する睦の舌を
思い切り吸い上げて自分の口内に誘い込み
先を甘噛みすると、全身を震わせる。
肩にあった手が拳を開き
掌が俺の背を這った。
行為の途中の口づけも、こいつは大好きだ。
そうしてやると
すべて俺の思い通りになるのを知っている。
可愛いやつ。
「ゔぅ、っんうぅゔ!ん、やぁあ!」
唇を解放した途端に響いた、激しい喘ぎ声。
睦がずり上がって逃げないよう
頭を両腕で包むように抱きしめ
今度は耳を甘噛みしてやる。
「あぁあっ!な、にこれ…っ!や、あぁ…」
挿入角度を変えただけでこの善がり方。
初めての感覚に戸惑ってはいるが
どうやらイイようだ。