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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡





「それにしても煉獄、
がんばってくれてんな…」

話を逸らすでもなく、
思った事を呟いた。
すると睦も、
抱き込まれまいと抵抗していた手を緩め

「…うん。大変だよね、2人の相手…」

何かを思い出すように呟く。
それを好機に、
俺は柔らかい睦の体を
ぎゅうっと抱きしめた。















強く絡まる天元の手を拒むのも忘れて、
弥生と睦月が
煉獄さんとどんなふうに過ごしているのかを
思っていた。

お転婆な弥生と
物静かな睦月。
全然違う2人をいっぺんにあつかうのって
結構しんどいと思うのだ。
どっちにも気をつかう。

だけど、煉獄さんなら、
お手の物なのかもしれないな…。
人を扱うのが上手。
嫌な思いをさせずに
うまく動かす事ができる。
しかも、ごまかしではなくて
真っ向から本心でぶつかってくるから
みんな心動かされるのだ。

私もあんな人になりたいなぁ…。

「どうしたら、強くなれるのかなぁ…」

「ん?」

唐突に妙な事を口走る私を
不思議そうに見下ろした。

「私ももっと上手に生きたい」

「…上手に、生きる?」

眉を寄せ首をひねる天元は、
ふっと破顔して

「煉獄と比べてんじゃねぇだろうな?」

図星をついてくる。
……。

「アレと比べたらだめだぞ睦。 
ほぼ誰も敵わねぇからなぁ」

いつものように優しく笑った。
頭をよしよしと撫でて慰めてくれて

「睦は充分上手に生きてると思うぞ?」

やっぱりいつものように甘やかしてくれる。

「私のどこが?」

私の悪いクセが
顔を見せはじめた事に気がついたのか
困ったような笑みを浮かべて、

「それは、もう前に言ったことあるけど…?」

ちゅっと口づけをした。







「睦?ちょっといいか?」

取り込んだ洗濯物を
縁側でたたんでいた私の元に
少し困ったような目で天元がやって来た。

「はい…」

膝の上にたたみかけの手拭いを乗せたまま
私は目の前に胡座をかいた彼の顔を見る。
逸らされた視線。
加えて、口が重い。
私に言いづらい何かがあるのは明白だった。




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