• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡






「…いや、悪ィ。こっちの話だ。混乱した」

「混乱するのは俺の方だ。何の事だ」

「悪ィ悪ィ。目的を忘れるとこだったんだ」

「…?どこかへ行く所だったのか?」

「ん?あぁ、いや」

言葉を濁す俺に

「もしや邪魔をしてしまったか?」

心配そうに目を向けた。

「違う違う。煉獄と散歩なんて
なかなか出来ることじゃねぇ。
この偶然を楽しんでんのよ俺は」

そう、偶然じゃなければあり得ない。
煉獄と散歩なんて。
約束して、とかまずねぇからな。

「そうなのか?
俺も楽しんでいる!」

「そうかい。そいつぁ良かった」

まだ早い。
あいつが寝てる間に忍び込んで
今日を一緒に過ごそうとしていたのだ。
どうせ今日は俺もあいつも休み。
のんびりならこの後からもできるはず。
この不測の事態を少しくらい楽しんだって
バチは当たらねぇだろう。

「ところで宇髄。『睦』というのは
女性の名前ではないのか?」

……。

「そうかもしれねぇが煉獄が気にする事じゃねぇ」

「…好い人がいるのか?」

「あぁ、体動かすのはいいなぁ。
腹も減ってくる」

「どんな女性だ?」

「朝メシ何にすっかなぁ」

「あ、その女性と朝餉を共にするはずだったのか」

「見ろよ煉獄、朝焼けがきれいだぞ」

「そうかそうか。料理の腕がいいのだな」

「っだあぁ!俺んな事ひとっことも
言ってねぇだろうが!」

なんなら鬼の話よりも食いついてくる煉獄に
とうとうツッコミをいれてしまった。

「何なんだお前は!」

「あながち間違ってはいないのだろう?」

「いいの!関係ねぇの!」

まったくもう。

「いつか会ってみたいものだ!」

煉獄はひどく晴れやかに笑うが…

「いや何でよ」

「それは!
君を虜にした女性がどんな人なのか
気になるからな!」

「……お気になさらず」

「何を照れる事がある!」

「いってぇな!照れてんじゃねぇわ」

ばっしばっしと背中を叩かれながら、
俺は煉獄と睦が顔を合わせた時の事を
頭に浮かべでてみる…。

きっと…。
きっとあいつは煉獄の事を気に入って、
…そりゃあ懐きに懐くだろうなぁ。





/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp