• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡





だがしかし。
こんな好機はなかなかない。

誰にも邪魔される事なく
2人きりでのんびりできるなんて。
煉獄様様だ。

故に、まだ離したくはない。

「…あの、ね?私そろそろ…」

言いにくそうにする睦。
何を言いたいのかは分かり切っている。
だが、俺は離したくねぇの。

さぁて、どうやってその気にさせるかねぇ…

「睦」

「っ!はい」

急に真面目な声を出した俺に驚く睦。
ぱちりと瞬きをして
次の言葉を待っていた。

「…あのよ、俺これでも
毎日なかなかがんばってると思うんだ」

突然切り出した俺の話に、
何事かと目を見張り、
それでもうんうんと頷いてくれる。

「たまの2人の時間を
ゆっくり過ごすくらいの褒美、
あってもいいと思うんだよな?」

「…そう、かな?」

「そうだろ?弥生の相手も睦月の世話も、
割としてると思うワケ」

「うん。それは、そう。
すごく助かってます」

真剣な目で更に頷く睦。

「だから、思う存分、
お前を堪能しても……いや、違うな。
睦もゆっくりしたって
バチは当たんねぇと思うのよ」

「う…ん…」

睦は少し首を捻りながらも
返事をした。
納得しきれない様子なので、

「俺を、ひとりにすんなよ」

ダメ押しの一言。

「……」

思った通り押し黙る睦は
潤んだ瞳で俺をただ見上げていた。

あ、俺この目知ってる。
……







「宇髄さんはどこから湧くんですか?」

脳みそを
ガンと殴られたくらいの衝撃はあったと思う。

こいつの気を惹こうと
躍起になっている今日この頃。

そう、気を惹こうとしているのだ。
それを。
どこから湧く、だと?

「どっからでも湧いたらぁ」

途端ヤケを起こす俺を見て、

「…怒って、ます?」

恐る恐る訊いて来る。
あぁ、こいつに怒りは御法度だった。

「いいや?怒ってねぇ」

にっっこりと笑ってやる。

「…ほんとですか?私別に
悪い意味で言ったんじゃありませんよ?」

焦ったようにする睦。
……。

「いつも私のいる所に現れるから
どうなってるのかなって思っただけなんです」

「…言ったろうが。お前のこと考えてると
居場所なんか手にとるようにわかるのよ」



/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp