第19章 思い出　☆彡

「俺のそばにいてくれんの？」

「そうでなきゃいられないように
自分がしたくせに」

「……。俺なしでいられなくなったのか？」

本気で言ってんの？
睦の目を覗き込むと
あからさまに逸らされた。
うわ、マジだ。

「俺の愛は、伝わってたって事か…？
あぁ、…睦…
俺もう絶対ぇ離れねぇ。
でも、…」

「…でも…？」

「また間違えたら、ごめんな」

先に謝っておく。

「俺の病気、お前の事な
ほんとは閉じ込めておきてぇの。
誰の目にも触れさせたくねぇくらい。
狂ってんだ。だから、きっとまた
くだらねぇ嫉妬をする。だけど
そん時はまた、呆れずに怒鳴ってくれよ」

「……」

睦は目を逸らしたまま、

「わかってるのなら、やめてほしい…」

呆れたように言った。

「善処する」

俺は睦の冷えた体を抱き寄せる。
少し戸惑ったように俺の胸に手を付き、
素直に抱き込まれるか
それとも拒むべきか少し悩みが見えた。

「俺を許すなら、抱きしめさせろ」

「…簡単には許さないよー」

事態を一変させる、睦の一言。
この場を、ぱっと明るくしてくれる。

「睦…あー、好きだ。
お前のこと大好き」

頭を引き寄せて
自分の胸に抱える。

「私の…数えきれない悲しみをね…」

「…んー…？」

「宇髄さんが…全部消してくれる…
そんな人、おじちゃんとおばちゃん以外
いないと思ってた…」

「……」

「私を、愛してるって…言って？」

甘えた瞳を俺に向ける…
何て、言った…？

「私…ひとりで生きてくなんてもう言えない。
宇髄さんが支えてくれなきゃ、もう無理…
ど、してくれる…？」

「…そんなん…
お前がそう言うんなら一生かけて支えてやる。
つうか…俺で、いいのかよ」

緩んだ瞳。
抱きしめろと言われているようで…。

「他にいないの、知ってるくせに…」

「あぁ、知ってる」

俺が、お前をそうしたんだ。
理想通りになってくれて嬉しい限りだ。

ただ俺がうまくないよな…。

「…宇髄さんしか想ってないよ？
私に淋しい思いを、…させないで…」