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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡






そうなのだ。
それは私がやっと辿り着いた答え。

私にだけ、対応が違う。
私の機嫌を取るのが上手。
声や態度を変えて、
この人はそれを
私に伝え続けていたのかもしれない。
今になってやっとそれに気がついた私…。
グズにも程がある。

「だから当たり前だって。
睦が俺の何だと思ってんだ」

「命、ですよね?」

「そうだ。俺はこいつがいいなら
何でもするし何でもいいのよ」

「別人ですー」

「それでいいんだ。な?」

そう言って
私の頭に手を乗せる宇髄さんの笑顔を
私は一生忘れないと思った。







いつのまにか眠っていた私。
暖かい腕に包まれて、
夢でも見ているみたい。
いや、
本当に見ていたの。
幸せな昔の夢を。

もう少し続きを見ていたい。
こんな幸せを手に入れたばかりの
あのふわふわな感じを味わっていたいんだ…













眠っていながら、
微笑んでいるような睦を
褥の中で愛でていた。

何の夢を見ているんだか…。
早く目ぇ覚まさねぇかな。

こいつが目覚める時が好きなんだ。
俺の腕の中にいるのに気付き、
幸せそうな笑顔を浮かべる瞬間に
ひどく喜びを感じる。

だから、
わざと荒く動いたり
姑息な手を使うのだ。

髪を撫でてみたり、
額に唇を触れさせてみたり
睦が枕代わりにしている腕を
ほんの少し動かしてみたり。

……睦は、
どんと構えている天元が素敵、
と、
言う……
全然どんとしてねぇけど、
こんな俺はどうなんだ睦?

理想的でない俺でも受け入れてもらえるだろうか。
なんて考えているくせに、
特に欲望を抑える気もない。

そのうち睦は眉根を寄せ出す。
もう9時を回っている。
起きてもいい、…というか
そろそろ起きねぇとだめだろ。
なぜ起こさないのかと睦にどやされそうだ。

「睦…朝だぞ…」

声をかけると
うーんと体を伸ばし目をこする。

「…ん…おはよ…」

寝ぼけている睦。
それでもちゃんと挨拶をした。

「…ねむたい…」

ぎゅうっと俺の胸に額を押し付けてくる。



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