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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡






言葉付きは普段と変わらない。
でも、…。

「ぶち壊したりしませんよぅ。
だってちゃんと、毎回違う出立ちで
行ってましたからねー」

道理で。

「私、お客さんの顔は割と覚えてる方なんです。
でも須磨さんのことは
まったくわかりませんでしたもの…」

「はい、最初はこのままで行ったんですよ?
でも天元様が気にし始めたので…。
私これでもくノ一なので!」

「ちょっと安心しました。
大切なお客さんの顔を
覚えてなかったわけじゃなかったんですね…」

私がホッと息をつくと、

「…お前はえらいなぁ睦。
客の一人一人を覚えてんのか?」

宇髄さんがぎゅうっと
私の体を抱き込んだ。

……あれぇ?

私はさっきの違和感と似た物を感じつつ、

「…は、はい…。だって
また来てくれたら嬉しいので…。
その時には、『また来てくれてありがとう』って
言いたいんです。そうするには、
覚えていないと出来ないでしょう?」

「さすがだなぁ。
俺の睦はよく出来た女だな」

……。

私は何となく、須磨さんに視線を送る。
でも須磨さんは、

「…なんですか睦さん?」

キョトンと私を見つめ返すだけで
特になんとも思っていないようだ。

私の違和感の正体はともかく、
この、私と宇髄さんの距離感とか、
彼の私への甘やかしとか
気になる点は多々あると思うのだけれど…。
そういうの、感じないのかな須磨さんは。

「あ、それより…ごめんなさい。
これ、どうですか?」

遠慮しながらも、須磨さんは
本題へと話題を戻した。
そうだった。

「はい、直せると思います!
飾り自体は壊れてないし、
留め具の所だけ交換すれば大丈夫ですよ。
やってみますので、
少しの間お借りしてもいいですか?」

私が言うと、ぱあっと顔を輝かせて

「本当ですかぁ⁉︎よかったー!
私これ、すっごくお気に入りなんですよ!
とっても綺麗だし可愛いし!
もうまるで睦さんそのものですよね!」

ベタ褒めされて、私はひどく照れた。

「な、なに言うんですか須磨さんたら…」

少し顔を伏せる私は、
宇髄さんに更に抱きしめられる。

「…っ、宇髄さん…?」




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