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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡






「そうだろ?」

なんか違うのか?と
宇髄さんは私を見下ろした。

違わない。
間違いなく、私が作った髪留めだ。
しかも私の自信作。
淡い桜色から空色への階調を作った
まぁるい形の髪留め。
虹色の貝殻を封入したガラス製だ。

その留め具の部分が
激しく破損していて役目を果たせなくなっている。

「そうです!私が自分で買いに行ったんです!」

「須磨さんが…?」

いつの事だろう。

「…でもそれ、随分前に作った物なのに」

「私、睦さんの
お店の常連だったんですよー?」

「えぇっ⁉︎いつ、ですか⁉︎」

私は大いに驚いた。
そんな事、カケラも知らなかったし
気づかなかった。

「お前気づいてなかったのか?」

思わぬ所から飛んできた声に

「宇髄さんも知ってたんですか⁉︎」

私は勢いをつけて振り向く。
宇髄さんは、驚いた私に驚いたようで

「こいつ、すげぇ通ってたろ」

目を見開いた。

「やめろって言ってんのに
ちっとも聞かねぇんだよ須磨は」

宇髄さんがキッと睨むも
須磨さんはどこ吹く風で

「だってとっても素敵な小物が
たっくさんなんですよ?
通わずにはいられません!」

力説してくれる。
それはありがたいけれど…。

「ほんっと、俺は気が気じゃなかったね。
何で須磨は
俺を脅かすような事ばっかするんだか」

「……どういう意味ですか?」

「ん?」

「どうして須磨さんが私の店に来ると
宇髄さんをオビヤカス事になるんですか?」

「…まだお前が、…
この3人の存在を知る前からの事だからだ」

少し言いにくそうにする宇髄さん。
えぇえ……

「そんなに前から…?」

「はい!私もまさか、お気に入りの店の店主が
天元様の想い人だなんて
思いもよりませんでしたぁ」

「そう、だったんですか…」

びっくりを通り越して唖然だ。

「俺の可愛い睦に近寄んなって
散々言ったんだがな」

「えー?天元様は私の存在が
睦さんにバレるのを
恐れてただけじゃないですかぁ」

「当たり前ぇだ。俺の長年あっためて来た想いを
ぶち壊されちゃたまんねぇんだよ」

「……」

何となく、彼の物言いに違和感を覚えた。




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