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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡





「睦の幸せは、どう変わった?」

俺はふと湧いた疑問を、睦にぶつけた。













「どうって…。
人に、甘えることができるようになった、とか?
前は甘えたらいけないと思ってたから…。
甘えられる幸せは知れた」

素直に彼からの疑問に答えた。
私の幸せがどう変わったかなんて、
この人が1番よくわかってると思っていた。
だって私に甘え方を教えてくれた張本人だから。

「…あぁ。ヒト、って、俺の事?」

随分と弱っているように見えるけど…
どうしたのだろう。
天元の変わりように
さっきまでの眠気なんかどこかへ行ってしまった。

「そう、だよ。…ほんとに本気で言ってる?」

そう訊いてみても、
特に返事をするでもなく
私の髪を梳いたり撫でたりしている。
…眠たいのかな?
寝ぼけているようでもないけれど…。

「…大丈夫?」

私も彼の髪に手を伸ばした。
きれいな髪を撫でると
ふとこちらに目をやった天元は

「ん?何がだ?」

心底わからないといった顔で訊く。

「なんだかボーッとしてるみたいだから。
私はいいから眠たかったら休んでね?」

「よくねぇよ…」

私のおでこに唇を寄せて目を閉じた。
この人も、私に甘えてくれるんだなと思うと
とっても嬉しくなる。

「睦ー…」

ゆるっと私の名前を呼んだ。

「ん…なぁに」

私も、おんなじように返事をしてみる。

「…俺お前が可愛くてしょうがねぇんだけど」

「…ほぇ…?」

「……ぷっ…」

あれ…?
遊ばれてた?かな?

「そういうとこすげぇ好き」

するっと回された腕が
私を簡単に絡め取る。
好き…
そう言われて、
素直に喜んでしまう自分に呆れる…

「…照れてやんのー」

嬉しそうに私をからかうこの人が…
困ったことにだいすきだ。

故に何も言い返せない私。
黙り込んだのが気になったようで、
強めに抱きしめてくれていた腕を
少しだけ緩めて

「…睦?」

覗き込んで確かめられた。
私のご機嫌を窺って、…

良かったらぎゅうっと抱きしめてくれるし
悪かったら何とか宥めようとしてくれる。
前からずっと変わらない。

でもそれは
私にだけなんだ。
それに気づいたのは、
いつだったかな…。



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