第19章 思い出 ☆彡
「俺になら、何されてもいいって顔してる」
…そうなんだ。
顔にまで出てるなんて、
相当なんだなぁ…
「俺が欲しいって言ってみな…?」
体の中心に、猛った欲を押し付けられて
「…ん、っ」
甘い誘惑に何も考えられなくなる。
「睦…
俺ならいいって言えよ。俺だけだって」
何か言われてる。
私の大好きな声が、何か言ってる…
聞こえているはずなのに、頭が動かない。
何も話せなくなった私の足を押し広げ
邪魔な襦袢を払うと
直にお互いを擦り合わせられて
「っあぁんん…!」
ただ喘ぐばかりの私に、
「ほら、…なぁ睦。
可愛く甘えて来いよ、」
私の顔の両脇に肘をついて
頬を寄せ耳元で囁いた。
涙が、溢れる。
「あ、ぁ…さ、むいの…早く、あっため、て…」
朦朧としながら素直に胸の内を吐露する私を
愛しげに見下ろして
「…や、べ、マジで言うのかよ…
…誰に、あっためてほしい?」
瞼に口づけた。
熱い唇は眉間を通って額に…。
「宇髄さん…に。…はや、く…」
「早く…?」
まだ先を言わせようとする。
もう、恥じらいもなにもなくなってしまった私は
「早く、抱いて…」
湧き上がる欲を早くどうにかして欲しくて、
広い背中にぎゅっとしがみついた。
「…可愛いな睦…俺のこと好きだなぁ?」
「ん…すき、だいすき…」
「睦…俺も」
この人の目を見た瞬間から、
魔法でもかけられたように、
若しくは呪縛にでも囚われたかのように
何でも言う事をきいてしまうんだ…
⌘
「っ‼︎」
「…っおい、」
「やぁ、だっ…!」
下から突き上げるように押し込まれ、
その強い刺激に私は我に返った。
「こんな時に…いい度胸だなぁ…?」
「ちが…っあぁ…」
「俺以外の、何を考えてんだ…?」
怒りの矛先は、
私の奥の奥。
でも、私が考えてたのは…
「天元の、ことだもん…っ」
昔の記憶とはいえ、
彼の事に違いはない。
「どうだか…」
疑う彼は強く私を追い詰める。
全身でのしかかり、
抉るような抽送が繰り返されて
私はもう意識を失くしてしましそう…
「やぁっ、やだぁ!」
もともと敏感になっていた身体は
少し怒りのこもった愛撫に耐えられそうもない。