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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡





「宇髄さん、…今日お休みですか?」

そう、服装がいつもと違うことに
今更ながら気がついた。
『隊服』ではなく、着流しに羽織。
激しく素敵。

「あぁ、休みですよ。気がついたかい」

わざとらしく答える宇髄さんは
なんだか楽しそうだ。

「いつもと違う姿も素敵ですねって
褒めてもいいんだぜ?」

ニヤリと不敵に笑い、
私のおでこにほっぺたをくっつける。
…心を見透かされているようだ。
ひどく照れるのでやめてもらいたい。

「…言いません」

互いの想いを通じ合わせたからと言って
突然そんな事が言えるようになるわけではない。
彼のほっぺたをぐいと押しやり
熱くなった顔を隠すため、私は少し俯いた。

「そうやって照れる姿がたまんねぇな。
ほんとにこのまま帰るか」

はっ…!

「下ろしてほしいです!
歩けるんですから…」

「そんなイヤかよ」

「イヤなんじゃありません!
こんな…外じゃやっぱり落ち着かないし…」

「じゃ家ん中ならいいんだな!」

「そういう意味じゃなくて…!」

嬉々として私を下ろし、
しかし相変わらず羽織の中に私を閉じ込めたまま
腰を優しく、でもしっかりと抱かれる。

結局私は、
右側面を彼の暖かい体にくっつけている状態。

「…宇髄さん…」

密着度としては、
さっきのより今の方が高いような…。

「んー?…さ、行くぞー」

白々しく言って一歩を踏み出した。
それに倣って足を出さざるを得ない私は

「待って下さい、これじゃ
さっきのと変わりません!」

彼の胸元辺りの着物を握って抗議する。

「…お前なぁ、」

そんな私に、大きなため息をついてみせた。

「そんなに人目や場所を気にすんなよ。
それよりも俺は、お前の事が心配だ。
寒いんだろ?唇真っ青だぞ。両腕で抱きしめて
ここで口づけてあっためたっていいんだぞ」

「えぇっ!」

抱きしめて、口づけ?
こんな所で?

「それを思えば、随分と譲歩してるつもりだがな」

厳しい目をしてそんな事を言った。

「そ、ですか…、あ、ありがとございます…」

「わかってくれたならいい。行くぞ」

……。

再び歩き出す宇髄さんに、
……………。
ついて歩きながら、
………………………。

「…え、今のお礼言う所でしたか…?」






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