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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡





「や、べぇ可愛いさだなお前…
どうしてほしいか、言える…?」

天元の声が、
頭の中でコダマしてる…
そのまま気を失ってしまいそう…

でもそれを悟った天元が
胸の頂きを2本の指で挟み擦った…
その瞬間、びりっと電気が全身を駆け抜けて

「っふぁあ‼︎」

大きな声を上げ思い切り背を反らす。
私の肩に顎を乗せ
身を擦り寄せた天元は

「胸でもちゃんとイけんのな…イイコ…」

ひどく甘い声で囁いた。
優しくて甘くて、気持ちいい…

イイコだなんて、よく言う…
私がこんなふうになるように
自分が作ったくせに…

何でもそう…
私の、この人に対する何もかもが
この人の思うがままに…。







冷たい風が私の髪を攫っていく。
肩掛けを手繰り寄せ、私は自分の体を抱いた。

今日は、寒い。
小物を作るための買い出しの帰り。
あんまり寒かったので、
私は通りかかった
町外れにある甘味処に寄って甘酒を飲んだ。
あったまった筈の体は、
外に出た途端に再び凍えた。

家を出た時はこんなに寒くなかったし
風も強くなかった。
故にまともな防寒具といえばこの肩掛けのみ。

肩掛けったって、
毛糸で透かし編みをした軽いもの。
長さこそおしりの下まであるけれど
何しろ風を通すので…
ほぼ暖が取れない。
いつもの癖で裸足だし、
お日様は陰り出すし…
傍に続いていく林がざわざわと揺れている。

小さい時にあったかい格好なんか
させてもらえなくて、
さすがにおじちゃんたちは
素敵な上着を着せてくれたけれど、
なんだか申し訳ないような気がして、
『私は寒さに強い』を強調したのが最後。
それを貫かなくてはならなくなった。

その名残が、未だに
私に暖かい格好をさせないのだ。
あぁ、ばかだったかも…。

ひゅうひゅうとからっ風の吹き荒ぶ中、
私は小走りに細い道を進んで行く。

と、
道に沿って続く林から、
ものすごい勢いで何かが飛び出してきた。
ざあっと大きな音と立て私の目の前に…。

「‼︎⁉︎」

声も出せない私は、
持っていた荷物をぎゅっと胸に抱きしめ
立ち尽くす…けど、

「…あ、れ…?」

飛び出して来た方もまた立ち尽くした。

「…宇髄さん…」

「お、ぉ睦…」

「何して、ます?」

「いや、お前急に走り出すからよ…
見失ったらいけねぇと……あぁあいや!」



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