第19章 思い出 ☆彡
大丈夫だと言われても、
強く感じる今日の私は
少しの刺激でもおかしくなりそうで
どうしたらいいのかわからなくなる。
「不安なのはわかるがなぁ、
俺がどんな睦でも愛してる事は
もうわかってるだろ。
お前がおかしきゃおかしいほど、
可愛くてしょうがねぇんだよ。
だから、安心して乱れてろ…
思い切り優しくしてやるからな…」
最初こそはっきりと喋っていた天元だったけれど
私の蕩けた目を見ているうちに
彼自身も溶かされてしまったのか
後半は甘く囁かれて
私は余計におかしくなった。
脇の辺りから胸の膨らみにかけてを
優しく撫でられ、きゅっと揉まれ
やわやわと擦り上げられる。
この、絶妙な愛撫。
ものすごくもどかしい。
優しくて、ゆっくりで
身体の奥が疼いて仕方ない。
意地悪にも取れるこの行為、
「…っ、ん、ぁ…や、やだ、」
涙が溢れて止められなかった。
私が泣くのを嫌うこの人も、
この涙の正体が快感である事がわかっているので
泣き止ませる気なんかこれっぽっちもない。
胸の谷間に鼻先をうずめ、
脇側の膨らみに指を添えたまま
押し上げるような動きを繰り返す。
…何がもどかしいって、
頂きに触れてくれない事だ。
でもそれが、恥ずかしくて言えない。
「うぅ…、やだ、…も、ムリ…っ」
胸の丸みに沿って何度も何度もさすられて
気持ちいいはずなのに
どうしても物足りなくて、
「イヤ…いやだぁ、天元…っ」
おねだりするような声が勝手に上がってしまった。
「んー…?そ、だなぁ…こんな感じてるお前、
珍しいから、…ゆっくりしてぇ」
そう言って、天元の長い指が
乳輪をなぞるようにくるくると円を描き出す。
触れるか触れないかの動きに
ぞくぞくと背筋を快感が走った。
ふわふわする意識を繋ぎ止めたくて
私は知らないうちに両足に力を入れて
ぎゅうっと彼の腰を締め上げていて…
「…睦…、」
私のその様子を見て顔を上げた天元が
ちゅっと口づけをしてくれた。
「睦、…善く、なってきた?…」
声が息になって唇に吹いてくる。
それすらも気持ちよく感じて、
私はもう本格的におかしくなっていた。
言葉が出ない代わりに
きゅっと抱きついて正面から見つめる。
それだけで
充分伝わったのか、
彼はふっと、甘く表情を緩めた。