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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡





顔が真っ赤なのは、
怒っているからなのか、
照れているからなのか…。

どちらにせよ、
ご機嫌を損ねたことに変わりはねぇか。

だってしょうがねぇだろ。
可愛かったんだから。
からかいたくもならぁ。
俺の女、めちゃくちゃ可愛いだろって。

「怒んなよ。俺の許しを乞うのに
媚びたんだろ?そんなん可愛いだけだよ」

優しく言った所で後の祭り。
睦の怒りは、
割と頂点に近い所にまで達していたのだった。













「なぁ睦、許せって」

俯いた私を、天元は必死に上向かせようとする。
でも私は、恥ずかしいわ腹が立つわで
それどころじゃなかった。

『上目遣い』なるものを、
意識してやった事なんて今までなかった。
でもこの間、
『睦の上目遣いは
絶大な効果が認められる』と、
この人が言ったのだ。

そんな、
自分ですら気がついていなかった事を言われたら
ちょっと試してみたくなるのが
ヒトのココロってもので…。

ものすごく効果はあった気がする。
でもものすごく恥ずかしかった。

私いつも本当にあんなことしてるのかな…。
抱きついて、上目遣い…?
あぁ、もう2度とやらない。
ひどく恥ずかしい!
彼の顔が見られない…
そしてそれをからかってくる彼に腹が立つ…。

「睦…?
本気で怒ったワケじゃねぇんだろ?」

腹が立つのに…
この声を聞くと怒りの勢いが弱まってしまう。
いつもそうだ。
あの時も…







雨の降る午後。
その時お客さんは2人連れの女性たちのみ。
せっせと在庫の整理をする私と、
楽しそうに小物を物色しているお客さん。

優しい雨の降る中、
傘を畳む音と人の気配を感じ、
ぱっと顔を上げると、

「よ、」

にこっと微笑む宇髄さんがそこにいた。
…相変わらず大きくて、
店の狭さが申し訳ないほどだ。

「こん、にちは」

来てくれて嬉しいけれど、
どこか気恥ずかしくて私は忙しいフリをして
再び在庫の整理を始めた。

「忙しそうだな」

店内にお客さんを見つけ、
声を落とした宇髄さん。

私はそんな彼をまともに見る事ができずにいた。
数日前に身も心も結ばれたばかり。
なんだか恥ずかしくて、
まともに宇髄さんが見られなかった。

「はい。おかげさまで毎日忙しいです」



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