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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第18章 嫉妬





つぅか編み物ってすげぇ時間かかるんだな…
こんだけ経っても、たったのあれだけ…
と、いうことは、…
今夜中には完成しねぇんじゃねぇの?

「なあ睦…」

声をかけるが返事はない。
集中しすぎだ。

「睦ー…睦ちゃーん!」

「はい…っ!」

突然、俺の声が届いたのか、
背筋をピンと伸ばし顔を上げた。

「…ごめんなさい。なぁに?」

慌てたように返事をした。

「そろそろ、
俺のこと見てくれねぇかなと思って…」

ハッとした睦が時計に目をやる。
瞬間、目を剥いて、

「もうこんな時間?あ、…ごめんなさい!」

解けないようにそっと、
編み上がった部分をテーブルに置いた。
そしてくるりと、体ごとこちらを向いて

「待たせてごめんね?…えぇと…何だっけ?」

「おいおい、
この俺を『おりこうさん』に待たせといて
何だっけはねぇだろ?」

すると睦は
あからさまに慌て出し、

「あっ、そうだよね、…えっと、
待っててくれて、ありがとう」

俺の頭をなでなでする……

「お前、俺のことガキと混同してんの?」

「しっしてないしてない!」

「でなきゃおちょくってんだろ」

「違うったら!まだ…こう、ね?
ずっと集中してたから、
まだ現実に戻って来られないっていうか…」

睦は両手を頭に当てて
もみほぐすような行動をとった。

「…そういうことならお手伝い致しますが?」

睦の手に自分のそれを被せる。

「え…?あ、是非、よろしくお願いします…」

つられて丁寧に返事をした睦の目が、
俺が近づく毎に、大きく見開かれていった。

互いの唇が触れ合った瞬間、
あぁそうだったと、
睦が、目を閉じた。

「俺、睦の言うように
オリコウサンだったか?」

唇を触れ合わせたまま訊く。
ゆっくり瞼を開いた睦が、

「…ん…すごく…」

目を細めて笑った。

「もちろん、ご褒美あるんだよなぁ…?」

啄むような口づけを繰り返す。
ご褒美なんてものをせがんでおきながら…

「ほら見ろ、どうしてくれんだよ…」



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