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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第18章 嫉妬





それでも、
私と一緒なら謝れるって言うんだから。

それに、…
謝るというのなら、私もだ。
私も、可愛くない態度をとってしまった。
睦月は私を守るという名目があったけれど、
私はただ、可愛くなかっただけだ。

一緒に行こうなんて…

あの人の言う通り、
娘相手になにやってるのか…

「かぁか?」

「なぁに?」

考え事に耽っていた私を不思議に思ったのだろう。
睦月が小さく呼びかけて来た。
…あぁ、いつもの睦月だ。

「かぁかだいしゅき。
ずっとそばにいゆかやね」

『いるからね』です。
可愛い舌ったらず。
こんな幼い子にこんなに気を使わせて
私はいたたまれなくなった。

「ごめんね睦月」

「かぁか、わるくない。
ぼくがいてあげるね」

「うん…ありがとう」

小さな手が、私の髪を撫でてくれる。
優しいなぁ。
私の方が癒されるようだ。
…私が可愛がられてどうする。

「さぁ、ちょっとお買い物にでも行こうかなぁ?
一緒に来てくれる?」

少し落ち込んでいる睦月の気晴らしに、
自分のうつうつしている自分の気分転換に。












屋敷の中が、がらんとしていると思ったら…。

「お買い物行ったよ?睦月と2人で」

「俺聞いてねぇんだけど」

「お父さんいなかったもん。
どこにいたの?」

「屋根」

「…雨漏り?」

「するか」

完璧な屋根だわ。

「じゃ何してたの?」

「心頭滅却」

「…わかんない」

だろうな。

「頭冷やしてたのー」

「この寒さじゃ頭だけで済まないよ」

「そうかもな。心も凍っちまわぁ」

俺の言葉にきょとんとした弥生は、

「ココロ…?」

首を傾げながら

「身体のことだよ?」

不思議顔で俺に言った。

「あぁ…そうだなぁ…
愛って難しいよな…」

「…?」

何言ってるんだろう、と
弥生は終始首を傾げていた。

愛してるのに憎らしくて、
家族を愛していても
やっぱり1番は睦だし、
それを大切にするには
当然睦の大切なものを
ちゃんと愛さなければならない。

弥生は頼もしいし可愛い。
睦月も健気で愛しい。
俺にとっても大切な存在だ。

でも何でかなぁ…
男だからか。
睦月相手にすると、弥生の時より焦る。





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