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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第18章 嫉妬





からかった事を少し後悔した。
弥生なら絶対に、やっぱり弥生の!と
言っている所だ。
だから同じノリで言ってしまった。
この子は弥生ではなく睦月。
対応を間違えた…。
そう思ったと同時に
なんとも言えない愛しさが込み上げてきた。

だって、今…
私のために花を育てたと言った。
そしてそれを見事に咲かせ、
私にくれると言ったのだ。
そんな嬉しい事があるだろうか。

「ありがとう睦月…!きれいね、嬉しい…」

素直にお礼を述べると
睦月はそれはそれは嬉しそうに笑ってみせた。
…可愛い。
すごく可愛い。
どうしよう、小型天元に
胸が高鳴ってしかたない。
いや、睦月です。
わかってるよ。
ちゃんと、確立した存在だと理解してます。
しっかり。

「うれしい?」

頬を上気させて訊いてくる姿が
年相応に見えて更に可愛らしい。

「とっても嬉しいよ?幸せ」

「ほんと?かぁか、もっとしやわせにする!」

「……」

泣きそうだ。
可愛いにも、ほどがある…

私は言葉もなくて、無言で睦月を抱きしめた。
愛しくて。
弥生は弥生の可愛さがあるし
元気いっぱいで大好き。
でも、…
ちょっと申し訳ないことに、
睦月は別格だ。
…男の子だから?

「ありがとうね…もう充分幸せ…」

「もっとしやわせにする!かぁかだいすき」

「睦月…ありがとう。母さんも大好き」

思い切り抱きついてくる睦月の
髪をそっと撫でた。
その時、ぐぅ、と睦月のお腹が鳴った。

「あら…お腹すいたね。戻ろっか」

「うん!」

ご機嫌良く頷いた睦月と
手を繋いで台所まで戻る。

「何が食べたい?」

「たまごやき。あまいやつ」

睦月の好物。
弥生もたくさん食べてくれるからいいかな?

「じゃあたくさん作ろう」

「うん」

手を繋いで台所に入ると、
まだ天元と弥生がいて
2人は慌てたような顔をした。

「何をしてるのー?」

わざと訊いてやると、

「お母さんはいいのー」

弥生は頬を染めて唇を尖らせた。
ちょっとおませさんの弥生。
私が踏み入るのを嫌がる時がある。
言ってもまだ6歳ですから、
もちろん、可愛らしく甘えてくれる時もあるし
相変わらず可愛い娘だけれど。




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