第18章 嫉妬
「んっ…や…あっ、あ…」
涙を流しながら喘ぐしかなくなった睦。
こんな緩い動きじゃ、満足できないだろう。
首を振って耐える睦に、
「…イかせて、欲しい…?」
救いの手を差し伸べる。
少しだけ顔をこちらに傾けて
目から涙を零しながら
「ん…イきた、ぃ…もっと、つよくぅ…」
最高のおねだりをした。
涙でしとどになった頬に口づけて
「…愛してる」
欲を吐き出すため、
行為に耽っていった。
——朝だ。
もう…。
さすがに、怠い。
隣で眠る睦は
息をしているのか不安になる程おとなしく、
あまりに静かに眠っていた。
「…睦…?」
呼びかけた声が、掠れている。
なのに、とても心地いい。
久しぶりに満たされた気分だった。
「睦…」
前髪を指でよけて
額に直接口づける。
「…起きろ睦…朝だぞ…?」
頬を撫でても動かない。
安心しきっている姿が愛おしい。
あんなに乱れていたのに、
このギャップに
やられてしまいそうだ。
「俺の腕ん中は、…そんな安心できるのかよ」
可愛いヤツ。
寝かせてやりたいが、裸はまずい。
「ほら睦…」
身をかがめて、首筋に鼻先を埋めた。
なまめかしい裸体が俺を誘惑するが、
それをグッと堪えて、いたずら程度にとどめる。
ちゅうっと強めに吸い付くと、
「んー…やぁ…」
寝ぼけた声を上げながら
俺の頭を抱え込む。
「ずっとこうしてたいが…」
「ん、…」
「朝だ」
「……」
すう、と再び寝息を立て始めた睦。
「あ、こら」
くてっとして眠りに落ちた睦。
激しく可愛いが…
飽くまで睦を目覚めさせるという名目で
睦の胸元に移動して
柔らかい乳房に食らいついた。
くっと体を引きつらせ、
「や、めて…天元、」
うっすらと目を開く。
「やっとお目覚めか、オヒメサマ」
「んー…ねむたいよ…」
名目上、目覚めてしまったからには
愛撫を続けることができず、
伸び上がって枕に頭を乗せた俺は
睦を抱き寄せた。
「そうだなぁ…毎度のことながら申し訳ねぇ」