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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





「まだ来ないけど…よく、わからない」

この場合の私の返事の解説としては
『月のものは来ないけど、
妊娠ははっきりわからない』、です。

昨夜は至って平和に
おとなしーく2人で眠りにつき
目を覚まして一段落した所へ
天元からのお呼び出しを受けて、今。

だって自覚症状なんて
吐き気や眩暈、食の好みの変化、
それくらい。
お腹が大きいわけでもなければ
胎動なるものもないのだから。

「じゃどうすればいいんだよ」

「…普通にしてればいいんじゃないかな…」

「普通?普通ってなんだよ!」

「えぇ?なんで怒るの?
…えーと…だから、普段通りに…」

私の返事が気に食わないのか、
会話を重ねる毎に目がつり上がっていく。

「お前、大事な体だろう?そんな事でどうする」

「どうするって言われても…」

あれ、これは…もしかして。
話さなかった方がよかったのかもしれない…

変に期待されて困った事になるやつかも…

「天元、お願いだから
まだ誰かに言わないでね⁉︎」

「何でだよ。知っといてもらったほうが…」

「まだ早い!」

私が遮ると、
天元はめちゃくちゃ不満そうに
顔をしかめた。

「……」

「そんな顔してもだめ。
お願いだから早まらないで」

「……」

私は無い知恵を何とか絞り、

「私と天元だけの秘密って素敵じゃない?」

ごまかすように微笑んでみる。
その言葉に心くすぐられたのか、

「…わぁったよ」

少し頬を染めて頷いてくれた。
あぁ、よかった。



その後、
普通に家事をこなす私の背中に張り付き、
天元は何かと手を出した。
食器を運ぼうとすると
重たいものは俺が持つと奪われて、
ちょっと急ごうものなら
走るんじゃねぇと腕を引かれる……

悪い言い方してもいいかな?
……めんどくさい。

「ちょっと……
お部屋でおとなしくしていてくれませんか?」

「なんでだ。ほっといたら
お前ムリするだろ」

「ムリなんかしてない。
いつも通りの事をいつも通りやってるだけだよ」

私が少し怒ってみせると、

「…そう、だな」

反省したのか、素直に頷いた。

「何かあったら呼ぶから。
絶対に頼るから、それまで部屋にいて」

「……」



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