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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





私を大切にしてくれるのは
とてもありがたい。
でもこれは過保護にもほどがある。
私、何もできません。

「…わかった?」

顔を覗き込み尋ねると、

「…あぁ、悪ィ。…邪魔だったか?」

少し傷ついたような目をされ、

「そんなんじゃないよ!」

慌てて否定する。
ごめんね、めんどくさいって思っちゃった…
でもね、

「嬉しかったよ!すごく、愛を感じた」

目の前の暖かい胸に頬をうずめ
ぎゅうっと抱きついた。
私の頭にポンと手を乗せ、

「…落ち着かねぇな…」

天元は苦笑する。

「うん…ごめんなさい。
話さない方が、よかった?」

気になっていた事を訊いてみた。
すると、

「それは違う!」

大きな声を出して私を引き離す。
目を合わせ、真剣に

「何でも話せ。不確定だろうが、
お前の事は1番に俺が知っていたい」

そんな事を言った。

「……。……ふふ」

つい、彼の頭を撫でてしまった私を

「…なに笑ってんだよお前」

不愉快そうに睨む。

「私は幸せだなぁって、思って」

撫でたついでに
頭を引き寄せ
彼のおでこに唇で触れた。

かがんだ天元はこちらを見上げ

「俺といるんだ、当然だろ」

にやりと笑う。
久しぶりに見る、俺様な態度。

この人の、いろんな顔を見てきたなぁ。
かっこいいのも情け無いのも、
怒ってるのも優しいのも。
…結局どれもだいすきだ。

「うん。そうだった」

素直に頷いた私の唇を彼は奪う。
私も、彼に委ねてみる。

可愛い、
って言われるのは未だにものすごく照れるのに
こんな事を平気でできるのは、
一方的でないからだ。
彼と交わす口づけは、
気持ちが伝わって来て、私からも伝えられる。
だから、とても好きだ。

離れてしまう予感がして、
私はそっと、首に腕を回して引き寄せる。

「…っ」

私の珍しい行動に驚いた天元は、
ひどく嬉しそうに
そして愛しげに私を抱きしめてくれた。

追って、追われて
まるで駆け引きのようなその口づけは
いつまでも止まず、ついには2人、
声を上げて笑い出してしまったのだった。




☆彡




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