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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





えっと……えーっと…。
なんでしのぶさんも来るんだろう。

嬉しいよ、嬉しいけれど…

なんで?

「私、ひとりで歩いちゃダメな病気ですか?」

「そんなことはありませんよ?」

「じゃ…じゃあまた倒れたりしないか
心配で来てくださるんですか?」

「ああ!それもそうかもしれません」

質問をのらりくらりと躱されている気分だ。
核心をつかない答えに、
私はもやっとする…。

「病気ならそう言っていただきたいのですが…」

「睦さんは病気ではありません。
…いいじゃないですか。道々、お話でもしながら
楽しく参りましょう」

「……」

まだ訝しむ目を向ける私に

「久しぶりに宇髄さんにもご挨拶をと…」

やっぱりにこりと笑ってみせる。
この人はウラがあるからなぁ…。











「ごめんください」

玄関からの声に、俺が足を運ぶと
そこには見慣れた人影が2つ。

「おぅ、久しいな…なんだ、この組み合わせ」

胡蝶と、睦。
何だか胡蝶に連れられている睦、
という印象だ。

にこにこの胡蝶に対して、
どこか上の空の睦。
呆然としているというか…

「睦?おーい」

目の前で手を振ると、ハッと焦点が合い、

「はいっ…あ、…」

俺を確認した途端

「ただいま…」

力無く言う。

「なんだ、どうした。大丈夫か。
また調子悪ィのか?」

膝を折って、顔を覗き込むと

「あ、大丈夫!ありがと…」

にこりと笑った。
……なんかおかしいな。

少し下を向いている睦。
胡蝶に視線を送ると、
いつものウソくせぇ笑顔を浮かべた。

「お久しぶりですので
ご挨拶でもと思い、ご一緒させていただきました。
お変わりないようで何よりです」

…んな事を訊いてんじゃねぇんだよ。
わかってるくせに
わざとらしい挨拶なんかしやがって。

「…あぁ、お前も元気そうだな」

疑心を抱く俺は
どうしても険のある物言いになってしまう。

「あら、怖い。邪魔者はお暇いたしましょう。
睦さん、お体、お大事になさって下さい。
お渡しした物、しっかり飲んで下さいね?」



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