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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





「もし、…もし、奇跡的に恵まれて
生まれて来た子を、愛してあげられなかったら?
自分と同じ目に合わせてしまうかもしれない。
そんな事になったら私…っ」

「睦!
睦、そんなわけ、ねぇだろうが!
泣くな、大丈夫だから」

「どうして大丈夫だなんて言い切れるの⁉︎
欠陥だらけの私の、何が大丈夫なの⁉︎」

自分の胸に
睦の頭を押し付け強く抱く。

「お前のどこが欠陥だらけなんだよ!
俺が、こんなに愛してる。その女のどこが…」

…ずっと、そんな事を、思ってたのかよ。
1人で抱えてたのか。

「間違わねぇ人間なんていねぇ。
失敗上等だよ。それでも睦は、
どこのどいつよりもよくがんばるヤツだ。
俺のこと、信じてるだろ?」

「…でも…」

反論しようとする睦の目を見つめた。

「俺はほしい。
愛しい睦が俺の家族になって
その喜びを増やしてくれんだろ?
俺たちの子だ、愛しいに決まってる。
お前が、愛さずにいられるわけがねぇ」

「……っ…」

「俺を、愛してるよな睦。
言ってくれ、俺を、愛してるだろう?」

「天元…だいすき…愛、してる…」

あぁ、愛しい睦。
たまらず、口づけを落とした。

「俺だって不安だ。お前と同じだよ」

鼻先を触れ合わせたまま、
睦は少し目を見開く。

「初めてが、怖ぇのなんて当たり前ェだ。
でも、逃げねぇよ。お前がいるから。
俺を、お前が支えてくれるだろ。
…睦の事は、俺がちゃんと支えるから」

届くだろうか…届け。

「俺を頼れ。俺はお前の何だ。
何のために2人一緒にいる?
俺は前にも言ったはずだぞ。
睦1人くらい、
支えてやれるだけの力持ってんだよ」

「…うん。うん、ごめんなさい…」

「ちゃんとわかったのか?」

「うん…」

ズルッと、鼻をすすりながら頷く。

「…何がわかったか言え」

「え…?えぇと…」

濡れた瞳のまま、忙しなく目を泳がせた。

「何がどうわかったのか言ってもらおうか」



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