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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯






「何があったか、話せるか?」

「……」

悩んでいるようで、
睦は動かなかった。
…仕方ねぇ。

「お前が話したくねぇ事は無理に聞かねぇよ。
話せるようになるまで待ってる。
だが、こんなふうに
おかしいのが続くようなら俺も考えるぞ」

睦の小さな手が、
俺の腕をぎゅっと握った。

「睦の事が、大切だからな」

何を考えているのかなんてわからねぇ。
だから、俺からの気持ちだけは
ちゃんと伝えておこう。
その後こいつがどう思って、何をするかだ…。

「睦、お前をこんなにするのは
何が原因なんだろうなぁ…」

つい、独り言のように呟いてしまった。
…だめだ、俺がこんなんじゃ、
睦を不安にさせるだけだな。

「ほら、もう休むぞ」

ずっと俺にしがみついていた睦は、
ゆっくりと腕をほどいた。

ちっとは、落ち着いたか…?

「少し待ってろよ」

俺は布団を敷き、
睦の元へ戻った。
最初と同じように、
その場にうずくまっていた睦を抱え
布団まで運ぶ。

「天元…」

睦は弱々しく俺を呼んだ。

「ん?」

震える手を俺の首に手を回し
強く抱きついてくる。

「こんな私で、ほんとに大丈夫…?」

それだけ言うと、
睦の体から力が抜けた。

…何て?
何て言ったんだ睦。
こんな私で…?

睦を揺り起こして、言ってやりたい。
そんなお前だからいいんだよ。

だいたい大丈夫ってなんだよ。
何を考えて、ここまで落ちてんだ。
何かあったと、はっきり言ったな。
早く睦の中で消化して
俺に話せるようになればいいのにな。



それから5日後。
睦はすっかり元通り、
元気で可愛い睦になっていた。
…なったように見せているだけなのかもしれない。
何しろ、自分でも
わからねぇままいる事のある睦のことだ。
んー…今なら、
何があったのか訊いてもいいんだろうか。
でもなぁ、俺がコトを急いて
睦を傷つけたら嫌だしな…



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