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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





その部屋に入った所で私は驚いた。
いつもなら、彼の膝の上に座った状態なのだが
今日は何故か、
敷布団だけが敷かれ
その上に寝そべった天元が片腕を伸ばし、
『ここへ頭を乗せろ』と
言わんばかりに待っていた…。

「……何で」

何やら、いかがわしい雰囲気を感じて
警戒をする。

「今日はいつもより体がつらいだろ?」

来い来いと手招かれるが
素直に行けない…。

「なんもしねぇから早よ寝ろ」

疑いつつもにじりよる…。

「何だ、大丈夫だから。
今日は俺も少し寝る…」

天元は珍しく、呂律の回らない話し方。
あ…ホントかも。

「一緒に、寝てくれるの?」

「あぁ。だから早く来いよ…」

私は天元が寝てしまう前に、彼の隣に横になった。
長い腕が私を絡め取り、彼の胸にうずめられる。
腿のあたりに膝を乗せられて、
全身で包まれると、少し重たいものの、
ひどく心地よくて…
私はすぐに眠気に襲われた。

「寒くねぇか?」

「うん…あったかい」

「なら、いい…」

スゥっと、彼は眠りに落ちる。
天元も、お疲れのご様子…

私も、天元の後を追うように、目を閉じた。






目を覚ますと、私の隣に寝ていたはずの天元が
膝をついた状態で座り、
私を見下ろしていた。

「あれ?もう、起きてたの?」

私が訊くと

「あぁ。さぁ睦、行くぞ」

天元は私の腕を引き、起き上がらせる。

「え…どこに行くの?…」

どこかへ行く約束なんてしていただろうか…。

…そんな事よりも。

「…天元?そのカッコ、どうしたの…?」

私の目の前にいる天元は、
髪をひっつめ、詰め襟の隊服、
背中に大きな2本の、刀剣を背負った、
昔の姿…。

「天元?どこに、行くの…?」

漠然とした不安にかられ、
私は天元に尋ねてみるのに、
彼はそんなもの聞こえていないかのように

「睦、
お前は俺と一緒にいる覚悟があるか?」

突然そんなことを訊く。
覚悟?
覚悟って…

「どういう意味?私はずっと天元と一緒にいる」

「そうか。じゃあ今から医者に行こう」

私の腕を更に強く引く。

「な、に…?何でそんなとこ…」



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