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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





見境なく睦を抱き潰した俺は
お詫びと言っちゃあナンだが
軽く朝メシを作った。

まだ布団に横たわったままの睦は
その匂いに覚醒する。

「ごはん…ごめんなさい…」

ひどく気怠そうに睦が言った。

「いや、悪ィの俺だから」

テーブルの上にすべて並べると
睦のそばまで行き

「大丈夫か?ごめんな」

背中を撫でてやる。
睦はにこりと笑い、

「ありがと…大丈夫…」

目を閉じ深く息をついた。
パチっと目を開くと
意を決したように腕を立て
ゆっくりと上体を持ち上げた。
俺はそれを慌てて支えた。

「ありがと…ごめんね」

「何言ってんだ。俺のせいだろ」

睦はくすっと笑い、

「ほんとね。幸せだけど…
動けなくなるのはツラいな」

また俺を喜ばせるような事を言う。

「…幸せ、か?」

少し驚いてしまう。
そんなふうに言ってもらえるとは
思っていなかったのだ。

「幸せ…でしょ?
好きな人に求めてもらえるのはすごく嬉しいもの」

睦は立とうとするものの

「ごめん、ムリ」

腰に手をやり
四つん這いのまま動かなくなった。
うわ、やべ…。

「困ったな、ごめん。病院行くか?」

「えぇ⁉︎そんなのいいよ!だいたい何て言うの!」

慌てる睦に

「何て、って…ヤりすぎましたって」

しれっと答えてやった。

「ばかなこと言わないで!
こんなのすぐ治るから!」

頬を真っ赤にして怒る睦を
不思議に思いながら

「ほら、来いよ」

腕を広げてみせる。
睦はその腕につかまった。

「おい、違う。
それだとお前立てねぇだろ。体ごと来い」

「え?体ごと?」

睦の中では
俺の両腕につかまって
立ち上がる予定だったのだろう。
だが俺は、抱き上げるつもりだった。
だって立てねぇのに。

ふわっと全身をすくってやると

「わぁっ」

睦は驚いて
反射的に首元につかまってきた。

「天元、大丈夫…っ」

「そうは見えねぇなぁ…」

「う…。でも慣らさないと」



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