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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





ん?…今、愛しい、っつったか?
俺の、こと?

「どうしてかな…すごく、愛しい」

嬉しそうに俺を抱きしめた。
その拍子に、
睦のナカから引き抜かれる俺。
そんな事にも構わず力いっぱい俺を抱きしめて
想いを爆発させる睦。

なんだ、何でそうなった?

「天元、今日どうしたの…?」

「…お前こそどうした」

「…え?私?」

よくわからない、と顔に書いた睦は
一度、天を見やるが、再び俺に目を戻す。

「天元が好きすぎておかしくなったんじゃないかな」

「ん?…ん?今なんて?」

俺は信じがたい言葉を耳にして
少なからず動揺していた。

「だから、天元の事が好きすぎて…」

「おぅ、だからソレだ。
お前そんなこと言うヤツじゃねぇだろ」

「……天元があんな可愛く甘えてくるから
おかしくなっちゃったんじゃない」

「可愛く…甘え…っ?」

「もう胸が締め付けられて
ドキドキしちゃった。もっといいよ?」

よしよしと髪を撫でられる。

「…っ!お前な!
あんな時のほんの一瞬の気の迷いを引きずるな」

照れを怒りで隠す。
が、こんな時の睦は無駄に鋭い。
睦がよく言う『流して下さい』を
俺が痛感することになるとは思いもしなかった。

「照れなくてもいいのに…。
だってあんな姿、
私にだってあんまり見せてくれないのに…
宝物を見つけたみたい…」

うっとりと酔いしれる睦には
もう何を言ってもムダだ。

確かにあの時、色んな想いが交錯した。
手の中にいるのに、ひどく淋しく感じた。
そんなの、ただ喘いでいただけのこいつに
伝わるはずがないと高をくくっていたのに…

「…何が、不安だったの?」

さっきとは打って変わって、
真剣な目をした睦が
ふわりと俺の頭を抱き込んだ。

あぁ、隠し事ができねぇのは、俺も同じか。
こいつの事が手にとるようにわかるのと一緒。

睦にも、俺の気持ちは筒抜けだ。

「何も、不安じゃねぇ。ただ、…」

口にしていいものか、迷った。
こいつを困らせるのはごめんだ。
あの時俺が思ったのは、子の事。
それは、睦には
負担なのではないかと思ったのだ。



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