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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





「私の、状態…?」

睦は不思議そうに俺を見上げた。

「最近、またちょっと妙な時があるだろ?
それがどういう事なのか、心配してんだよ」

睦の目を見てはっきりと言い切る。

「…そう、だったの…。ありがとう。
すごくうれしい…」

俺の首筋にすり寄って嬉しそうに笑った。
…今日は随分、幸せそうだ。
昨日の悲壮感はカケラもねぇな…。

「睦…どうしたら、お前は嬉しい?
俺にしてやれることは?」

「……」

睦は体を離し、

「私の目が、他所へ向かないように
天元にそばにいてほしい」

真剣な目で言った。

「…俺以外に、気になるヤツでも居んのか」

「いない!睨まないで。…昨日みたいに、
知らないうちに
天元に嫌な思いをさせるのがイヤなの。
何をしたら、天元を悲しませてしまうのかを
ちゃんとわかっていたい。
ちゃんと、したいの」

睦は不意に目を伏せた。

「それでなくても、
このごろ浮き沈みが激しいのに…」

「俺は、どうしてやれる?
そばにいるだけか」

「今まで通りにしていてくれたらそれでいい。
…だいすきなの」

微笑みを浮かべてそんな事を言い、
俺の頬に唇を押し付ける。

「可愛い睦。
昼メシよりお前を食いてぇな」

睦の頬に、お返しの口づけ。
くすぐったそうにコロコロ笑い、

「ダメだよ。ちゃんと食べてね」

「睦を?」

「ちーがう。ごはんを」

ぐーっと押しやられ、
ぷくっと頬を膨らませる睦に
俺は可笑しくなって
声を上げて笑った。




睦は、
昼メシも晩メシも、俺に止められる事なく
無事、正しい量を食うことができた。
ただだいぶ気をつかっていたようだ。

俺もホッとした。

ほめてほめてと目がそう言っていて…
だから俺は睦の頭を撫で、
「よかったな」と一緒に喜んでやった。
俺が褒めるのは、
違うような気がしたんだ。

睦が良ければいい。
元気で、健やかに、心穏やかに…。


「天元、お風呂お先でした」

ほかほかの睦が
襖から顔を覗かせた。




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