• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





フロは睦が沸かしてくれた。
自分が大変なこんな時でも、
家事はきっちりこなしてくれるし
俺は感謝しかねぇよ。

家事は女の仕事だなんて世間は言うが
そんな事はねぇと思う。
それで睦が楽になるなら
俺は何でもするだろう。

「ありがとな睦。
お前ももう休め」

ふろに向かいがてら
睦に声をかけると
にこっと可愛く笑い

「ありがと」

頬を染めた。
…なんでこんなに可愛いかな。


フロから上がり自室に入ると
灯りの落とした部屋の中、
俺の布団で当たり前のように眠る睦がいた。

…激しく可愛いな。

そうだよ睦。
お前の当然の権利だ。
俺はお前のもの。
そして俺の縄張りに入り込むお前は
俺だけのものだ。

布団から覗いた手を握ると
少しだけヒヤッとした。
細い指先をあたためるようにそっとこする。

仰向けで眠る睦の寝顔は
透けてしまいそうなほど儚かった。

消えてしまう前にと、
俺は睦を潰さないよう覆い被さり
顔の隣を両腕で囲った。

たまに乱れる寝息、
散らばった絹糸のような髪、
閉じられた長いまつ毛、
少しだけ開いた紅い唇。
綺麗な睦。
中身は子どもみてぇだけど。
だから、可愛い。

触れてしまいそうなほど顔を寄せて
寝顔をじっくり眺めていると
眠りながらも何となく違和感を覚えたのか
睦の目がうろっと開かれた。

「あ…おかえりなさい」

寝ぼけた声。
それでもにこりと笑うこいつが愛しくて。

「…俺は誰だ?」

「…ん?…天元…」

目をこすりながら、ぼんやりと答える睦。
果てしなく可愛い。

「…?」

愛らしさに打ち震えている俺を変に思ったのか
睦は心配そうに俺の頬に手を当てた。

「…のぼせた?」

「あぁ…お前が可愛いから…」

意味をスルリとすり替えて
俺はそのまま口づけをする。

「…!」

あ、睦が、期待してる。
ふわりと体温が上がったのがわかった。

俺の口づけひとつですぐに切り替わる。
さっきまでの可愛さが、
急に大人の色気に変わる…





/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp