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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





「あのね玄弥くん、」

「は、はい…!」

私は縁側の方を指差して

「右がひい、左がふうだよ!
ひいちゃんとふうちゃん!
名前だよ、間違えないで⁉︎
変えたりもしないで」

「え…はい!」

あー、玄弥くんが居てくれれば大丈夫だろう。
その後ろで不死川さんが
くすくす笑っていたのが見えた。






「おっせぇなぁお前はぁ」

例によって例の如く、
玄関で待ち構えていた天元に
呆れたような怒ったような目をされた。

「…ごめんなさい」

「鉄砲玉か」

ぽんと私の頭に手を乗せて
ニッと笑うと廊下の奥へと行ってしまう。

あんな言い方だったけれど
私を心配してくれていただけなんだなと感じた。

私は急いで彼の背を追った。
追われた彼は私を振り返り

「荷物、置いてこいよ」

優しく、言う…。

優しい、のに、
私が負い目を感じているからなのか
責められているように聞こえてしまった。

「……はい」

私は言われたまま、台所へと向かった。
置いて来い、と言われたものの、
すでにもう夕方…。
このまま夕飯の準備をしてしまおうかな。
そう思った私は、
お米を炊く準備を始めたのだった。



煮付けを作ろうと魚を取り出した所で

「睦!」

台所に入ってきた天元が大きな声を上げた。
びっくりして振り向いた途端、
彼の胸に視界を遮られる…。
抱きしめられている事に気づいたのは
その一瞬後の事だ。

「お前、何で俺んとこ来ねぇんだ」

「…え?」

「待ってんのによ」

ぎゅうっと力を入れられて私は困惑した。

「…来い、なんて言った?私、
荷物置いて来いしか言われてないよ」

天元は大きくため息をついた。

「あれは、荷物を置いてから来いって
イミに決まってんだろ」

「そんなのわからないもん。
…来るなって言われたように聞こえた…」

私の言葉に、

「…お前どんな悪ィことして来やがった」

天元は思い切り反応した。

「俺に対して後ろめたい事でもあんのか」

声を低くする彼に、

「…帰りが遅くなっちゃった事」

素直に答える。

「何であんなに遅くなった」


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