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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





「今の、育ての親に引き取られた時です。
私を取り巻く環境が劇的に変わって
おかしくなってしまって…」

「……良い方に変化したんだよな?」

「はい。でも、良かろうが悪かろうが
変化は変化で…。
私の体はそれについていけなかったんです。
知らん間に食べ過ぎを起こして吐き戻したり
そうなるのが怖くて何も食べられなくなったりを
繰り返したことがありました。
今、それによく似てるんです」

汚い話しだけれど、
昨夜も、1人お風呂でもどしてしまった。
天元と一緒にいると気が紛れていたのか
大丈夫だと思ったけれど
あの不快な胸焼けがそんな事で治るわけもなく…
いっぱい口をすすいで
だいぶスッキリさせたのだった。

気持ち悪いし苦しいし、
あんなのもうごめんだ。
故におはぎはいらない。

「そんな極端な事しかできねぇか。
宇髄は目の前で見てて止めねえのかよ」

「…あの人は、私に任せてくれるので。
心配はしてくれるけど」

「…役立たずが」

「あーまたそんなこと言う!
……でも、…もうこれからは
そうも行かないと思います。
昨夜、私ひどかったので…
口にはしないけど、
きっと余計な心配させちゃったから」

私の食べ過ぎを目の当たりにして
気持ち悪くなった姿を見て
私がおかしいことに気がついただろうな。

「心配なんかいっぱいさせてやりゃいいんだ。
それで喜ぶだろ、あいつは」

「…そんなことで喜びませんよ」

「睦の事なら何でもいいだろあいつ。
それより、お前の今の変化って何だァ?」

「変化…?」

「何か、劇的な変化があったから
そうなってるんだろうが」

「あ、ぁ…そう、か…」

……

「なんだろう…」

「何だそりゃ」

「ごめんなさい…なにかな…」

今更、結婚した、とか
一緒に暮らす、とか
そういう事じゃないような気がする。

「謝られてもなァ…」

「わかりませんね…」

「お前大丈夫か」

呆れたような目で私を見た不死川さんは
小ぶりのおはぎを一口で食べた。

喉に詰まらないのだろうか…
と、どうでも良い事を考えつつ、
確かに私はどうなっているのだろうと考えていた。



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