• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





いけない…
思考が、天元寄りになってきた気がする。
私がしっかりしなくちゃ…
このままじゃ人間の生活じゃなくなる。
わかってるのに、離れられない。

私の唇から、顎を辿って
天元は私の首筋に顔をうずめた。
思わず身構えた私を諭すように

「何もしねぇよ」

静かに囁いた。

「離したくねぇ女に、離れたくねぇなんて言われたら
おかしくなりそうだな」

嬉しそうに笑ってみせる。
そんな笑顔見せられたら
私の方もおかしくなりそう。
ただただ、この人の愛しさに溺れてしまう。

少し屈んで、
彼の肩に頭を乗せた。
長い腕に絡め取られ包まれていると
もうそこから動けなくなるよ。

「…こんな事してんなら
もう少し寝かせてやれたなぁ」

ため息混じりにそんな事を言うから

「そんな事ない。
寝てるより、起きてこうしてる方がいい」

ぎゅっと彼の首にしがみついた。

「そりゃあまた…
可愛いコト言ってくれんのね」

だって、寝てるうちに
一緒にいてくれるのも嬉しいけど
起きてて一緒の方がいいに決まってる。
たくさん、お話ができるの、嬉しいもの…。

「今日、買い物行くのか?」

「え?かいもの…」

急に現実に引き戻される。

「あぁ…行かないと。おにぎりしかできないよ」

「それでいい…お前の握り飯、日本一だ」

「何それ。ダメだよ、
そんなの私、怒られちゃう」

「誰に」

「おばちゃんとか」

大切な旦那様に、
そんなお弁当みたいなものを食べさせるなんて!
…っていうおばちゃんの顔が目に浮かぶ。

「握り飯、立派なゴハンだろ?」

「でも…」

「俺がお前の握り飯を食いたいの。
それならいいんだろ?」

…買い物に行かせないため…。

つい声をもらして笑ってしまった。

「何だよ。だって今動きたくねぇだろ。
このままいさせろ」

「うん…」

素直に返事をすると

「ちょっと悪ィ…」

腰をぐいっと引かれ、
膝裏に腕を差し入れ掬われる。

「…っわ!」

やや荒めに、彼の膝の上に座らされた。

「この方が、いい」

おでこをぐりぐりと押し付けられながら
嬉しそうに言う。

「うぅ…いたいいたい」

力が強くて呻いた。

「可愛い可愛い」

更に続ける天元に

「いたいったら…っ」

私は笑うしかない。




/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp