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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯






腕を伸ばして、
少し驚いて目を丸くする睦の
髪を撫でる。
乱れを直すように指を通し解して行った。
そうされた睦は
くすぐったそうに身を捩り、
それでも

「…うん」

はっきりと、そう答えてくれる。
見つめ合った瞳は少しずつ近づいて
まるで誓いを立てるかのように、
口づけを交わした。












硬い氷が、溶けていくみたいだ。
スルスルと、私の全てを解いていく。

彼は、どうしてこんなに
私を惹きつけるんだろう。

甘えたように絡みつく口づけが、
逆に私を甘やかす。

彼の頬を両手で包んで、
おでこをくっつけて、
ちょっと微笑み合って、…
他に何も考えたく、ない。

このまま、いつまでもこうしていられたら。
そんな事を考えてしまう。

時が、止まってしまえばいい。

でも、そのうち夜が来てしまう。
早く…でも…。
あぁ、自分がダメな人になっていくみたい。

きっと私の心は、あの日捕らえられていたんだろう。
気が付かないまま、
天元に心が攫われていた。

「すき…だいすき…」

どうしたらいいかわからない程。
それくらいだいすきだ。
この愛しさは、どこから来るのか。
いつまでも尽きない想い。まるで
メビウスの輪のように、無限に広がるの。

きゅっと、角度をつけられて
口づけを、されそうな予感。
でも、一向に訪れないソレ。
期待する心は、
焦ったくて、待ちきれなくて。
私は自分から迎えに行ってしまった。

嬉しそうに目を細められて
私こそ嬉しくなる。

「睦…このままだと、
俺お前を離せねぇよ…」

困ったように眉を下げ
前腕で背中から頭までを包んでくれる。
私も、彼の首に両手を回して
ぎゅっと抱きついた。

「どうしよう…離れたく、ないの…」

やるべき事がたくさんあるというのに、
何を口走っているのか…。

それでも、天元は許してくたようで、

「なら、ココにいろ」

何度も押し付けられる唇。
たまに悪戯をするように食んで…
これ、いつまでもしてられるよ。

「ん…居たい、ココに」

天元の、腕の中に…。


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