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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第1章 嚆矢濫觴











 体を辿る指先に覚醒する。
いたずらなその指は、
ゆっくりと下肢をすべり、
着物の合わせをめくり上げ
素肌をくすぐるように流れていく。

それが、夢なのか、現実なのか
区別がつかないまま、
そのくすぐったさに身を捩る。

それでも止まらないその手は、
太腿の内側から裏を通って
双丘を撫であげた。

夢、じゃない!
ぱちっと目を開くと、
目の前には宇髄さん。

「おはよ」

なんて言って、
ほっぺたに口づけされる。
その間も、私の下肢を動き回る手は止まらない。

「やっ!やめて!朝っぱらから何してるんですか!」

私が宇髄さんの手をつかんで止めると、
不満そうな目を向けられた。

「何でだよ。
朝はダメだって決まりでもあんのかい」

「決まりって…そうじゃなくて…
昨日、私がいいと思えるまで待つって
言ってくれましたよね?」

「……それなんだよなぁ。
あんな中途半端な事しちまったからよー、
…なぁ?」

なぁって言われても…
私の呆れた顔を見た途端に、
思い直したような表情を作った。

「可愛い寝顔がそばにありゃ
触れたくもなるだろ」

「何言ってるんですか‼︎」

私は爆発的に赤面した。
それを見た宇髄さんは優しく笑い、

「あぁ、寝てなくても可愛いな」

そう言って私を抱きしめてくれた。
照れはするが、恥ずかしい事ではないと学んだ私は、
おとなしく彼の胸に寄り添った。

「……」

そんな私を見て、ちょっと怪しむような顔をする。

「あんまり可愛すぎると止められねえんだが…。
襲ってほしい合図…じゃねぇよな?」

「‼︎っ何を!」

私は怒ったフリをして
宇髄さんを突き放し、布団から出ると、
そのまま逃げるように、洗面所へ向かったのだった。



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