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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第17章 愛月撤灯





私は何を探すでもなく、
店の中をうろついていた。

「うわぁ…」

つい声をもらし手に取ったのは
丸く加工された天然石をつないだブレスレット。
青いその石は、
光の具合で濃くなったり薄くなったり
とっても綺麗だ。
間にキラキラのロンデルを挟んで
中心には少し大振りの、
青い、ホタルガラス…。

一瞬で目を奪われてしまった私に

「わぁ!
それとってもキレイね睦ちゃん!」

いつの間にか隣にいた蜜璃ちゃんが言った。

「あ、うん!とっても素敵」

私がてにしていたのが
内径の大きいものだった事に気づいた蜜璃ちゃんは

「…とってもよく似合いそう。
喜んでくれるんじゃないかなぁ?」

意味ありげににっこりと笑った。
そして、

「向こうを見てくるわね!」

店の奥側へと行ってしまった。

…喜んで、くれるかな…?





日の高いうちに蜜璃ちゃんと別れ
私は家路を辿っていた。

蜜璃ちゃんはこのごろ更にきれいになった。
恋してるってすごいんだなぁと、
改めて思う。

私は、どうだったんだろ…。


家に帰ると
天元に挨拶をして、すぐに部屋に籠った。

さっきのブレスレットのサイズを
調整するためだ。
あの大きめのサイズでも、
きっと天元には合わないはず。

同じサイズのブレスレットを2つ買って
私の熟練のワザ(?)で
ちょうどいいサイズに作りかえるつもりでいた。

長めのテグスに、
解いたものを通して繋ぐ。

久しぶりの物を作る感覚に、
嬉しくなって震えた。
やっぱり、楽しいな…。


そうしてちょうど仕上がったころ、
何ともタイミングよく
天元が顔を覗かせた。

「睦、茶でも飲もう…何してんだ?」

テーブルに散らかる色んな工具を見て
天元は不思議そうに言う。

「天元!ちょうどよかった。手ェ出して?」

私は立ち上がりながら声をかけた。
彼の前に立ったのと同時に
伸びて来た大きな手。

私はそこに、出来上がったばかりの
ブレスレットを通した。
見事に、ぴったりだ。

「…私も捨てたもんじゃないわ…」

自画自賛した私を驚いたように見下ろし、

「…作ってくれたのか?」

ブレスレットと私を交互に見やる。



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