第17章 愛月撤灯
「子どもだろうが大人だろうが、眠きゃ寝ろ」
睦の頭を
自分にもたれかけさせ包み込んだ。
「うん…ありがと」
睦は素直に目を閉じ
全身の力を抜いていく。
…ホラみろ。
すぐ寝るじゃねぇかよ。
翌日、私は蜜璃ちゃんとお出かけ。
うちまで迎えに来てくれた蜜璃ちゃんと2人
天元に見送られ、町へお買い物。
私の疲労を心配してくれる天元が
たまには女同士で楽しんで来いと
蜜璃ちゃんに声をかけてくれた。
「ごめんね、蜜璃ちゃんも忙しいのに…」
「大丈夫よ!誘ってもらえて嬉しいわっ」
この子はいつもホントの事しか言わないから
安心できる…
「ありがとう、嬉しいなぁ…」
「私もよ!それにしても、
宇髄さんから連絡があった時は驚いちゃった。
相変わらず優しいのね!」
「はは…。このごろ私、疲れてるみたいでね、
余計な心配かけちゃってるんだ」
「あら、疲れてるの?」
「うん…そうだね、あんまり感じないんだけど、
自分でも知らないうちに
寝てる時もあるくらいだから
そうなんだと思う」
「そうなの?…心配だわ」
蜜璃ちゃんは少し声を落とした。
あぁ、いけない!
「大丈夫!昨日からね、
お昼寝の時間を設けてもらったから!」
「おひるね…?」
「うん。倒れる前にちゃんと休めって言われて…」
「寝かしつけてもらうの?」
「うん。……あ!違う違う!」
つい素直に頷いてしまって慌てる。
慌てた所で、もう遅い。
「ふふふ、仲良しサンね」
蜜璃ちゃんはクスッと笑い、私の手を取った。
「今日は私と仲良くしてね!
さぁて、どこに行こうかしら…」
にこにこと可愛い笑顔を浮かべる。
なんだか私も嬉しくなって
蜜璃ちゃんの手をぎゅっと握り返すのだった。
2人で散策している時にふと立ち寄ったのは
可愛いものから綺麗なものまで揃った雑貨屋さん。
こぢんまりとした店構えは
とても親しみが持てた。
髪留めや巾着袋、帽子も置いてある。
誰とでも仲良くお話しできる蜜璃ちゃんは
お店のお姉さんと何やら話し込んでいた。