第16章 実弥さんと一緒
彼は私を仰向けに転がし
その上にのしかかって
「バカヤロウが!
そんな疑い、持てなくなるようにしてやる」
そう唸ると
何度も何度も、
もどかしいような口づけをする。
「ん…んぅ…さ…っ」
そんな事されたら、
昨夜、植え付けられたばかりの熱が
あっという間に再燃する。
「ん…?」
大きな手が、胸の膨らみに触れた。
「や…ん…」
「お前以外、相手に、してるヒマなんか
ねぇんだよ…」
彼の声が、全身に響く。
触れられた所が、熱い。
拒否したいのに、
身体が喜んでいて力が入らない。
拒めない…
開かれた震える両足の真ん中に
硬くなったモノを押し当てられた。
「んっ、やぁ…」
ビクッと体を震わせ
つい逃げ腰になる私の全身を
慰めるように撫でてくれる。
私は安心して、少しだけ力が抜けた。
「…睦、…ちゃんと俺を見てろ。
誰を想ってるかなんて、
分かりきってんだろうが…」
薄く目を開くと、
とても優しい瞳がこちらを見ていた。
「…うん…」
ほんとだ。
私だけ、愛してるって目をしてる。
私はその髪を撫でてみた。
すると様子を窺うみたいに
啄むような口づけをされる。
拒否しない事を確認した実弥さんは
私をこじ開けるようにして割り入った。
「…っう、…あ、ぁ…」
昨夜は痛くてつらかった。
でも今は、なんて…
「や、実弥、さん!きも、ちい…」
恥ずかしげもなく
素直に告げた私を見下ろして
嬉しそうに微笑んだ。
「そりゃ…よかっ、たな…っ」
「あん、…あぁっ、あぁん…っ」
自分が発しているとは思えないような
甘ったるい声が止められなくて…
あぁ、こんなの、聞かないでほしい。
「ん…んんっぅ…」
唇を噛み締める私に
「…なに、してる…噛むな傷つく…」
窘めるように言った。
「…恥ずかしい、ことじゃねんだよ…
声、聞かせろ…」
「っ、あぁあ…!」
かき混ぜるようにナカを突かれ
声を我慢できなくなってしまう。
「あ…そんな、しちゃ…やぁんっ」
「…随分、ヨさそうだなァ…っ」
意地悪な言葉を優しく囁いて
彼は愛しげに腰を進めた。
「んっ、あぁ…」