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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第16章 実弥さんと一緒





実弥さんはまだ半分寝ぼけているようで
私の髪に頬を擦り寄せている。

「あ、あの…」

甘い雰囲気に耐えかねて
私を抱きしめている彼の腕に
両手を添えると左手に
見慣れない物を見つけた。
……。

「実弥さん…」

「んー…」

「実弥さんって」

「んー…」

「実弥さん‼︎」

「オォ!なんだァ!」

大声での呼び掛けに
一気に覚醒した実弥さんは
驚いたはずみで
私の体から腕を解いた。

「実弥さん、コレ…?」

私は天井に向かって
左手を掲げて見せた。
薬指に
キレイな指輪。

「あァ。気に入ったかよ」

「え?」

実弥さんは、
寝起きとは思えないような
きれいな笑顔を浮かべる。

「…注文しといたんだよ。
昨日、仕上がったって連絡あってよ。
家まで届けてもらうはずだったが
お前が来ちまってたからな…
驚かせたくて、ここじゃねぇとこで
受け取りをしたんだ」

あれ?…それってもしかして。

「…小さな神社?」

私が訊くと、驚いたように目を見開いた。

「…なんだお前。見てたのか?」

私は青くなる…
なんてこと。
だから
ちゃんと聞かなくちゃいけないんだよ。

「実弥さん、ごめんなさい!大好きです!」

「はぁ?」

混乱している実弥さんの胸に縋りつき
何度も謝罪した。

「ありがとうございます!嬉しい、
…ごめんなさい、実弥さん大好き!」

うわ言みたいに続ける私に

「…だから、見てたんだなァ?」

声を震わす実弥さん。

「…私、大きな勘違いを…」

「ヘェ…俺の後をつけたって事かァ…?」

すっかり覚醒している実弥さんは
私の顎をつかみあげた。

「違います!偶然です。
道に迷ってしまったので…」

「ほぉ…で?」

機嫌悪っ!

「てっきり、私に隠れて…」

「…隠れてェ…?」

「う、わきでも…してるんだと…」

「俺が?」

目を合わせられたまま
間近に迫られる。

「ごめんなさい…」

予想外な事に、
実弥さんは盛大にため息をついた。

また怒鳴られるかと思った。

「許さねぇ」

低く言う。

それはそうだろう。
私のためにしてくれた事を、
浮気だと疑われたら…。




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