• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第15章 秋祭り【実弥】





「よくもまぁそんな甘いモンばっかり
食えたなァ」

「実弥さんも甘い物すきでしょう?」

「睦ほどは食えねぇなァ」

「えー?そうかなぁ…」

俺の少し後ろを歩く睦は
つないだ手をゆらゆらと揺すった。
さっきは
子ども扱いをされたとむくれていたくせに
飾らずに可愛いことをする睦が愛しい。

さっき迷子になった睦を
もう離すことなく連れ回し、
途中、ラムネを飲んでいる時
急に

「型抜きやりましょ!」

「あァ?
また勝負とか言うんじゃねぇだろうなァ?」

「やりましょー!」

「おめェは懲りねぇなァ…」

そうして始まった型抜き勝負。
俺も睦も城の形…
それを見た俺らは絶句だ。

「……」

「……。実弥さん…」

「コレは…」

「シャチホコの所、ムリです!」

「睦!やる前から何言ってやがんだァ!
やるぞ!欠けずに抜いた方に
1日わがままいい放題の権利だ」

「えーっ!何ですかソレ!
絶対に勝ちます!」

「いや、俺だ!」

そう言って始めた
周りの子どもたちを巻き込んでの型抜き勝負。
勝負の行く末は………。




祭りを堪能した俺たちは
神社にしっかりお参りもして
その場を後にした。

神社から離れるごとに、
辺りは暗くなり、静けさが広がっていく。
虫の音と、草木を揺らす風の音。
あの喧騒も楽しくていいが、
この閑静さも落ち着けて心地いい。

「あれ?実弥さん、こっちじゃないんですか?」

辺りを見渡して睦は首をひねった。
暗い、川沿いへと向かう道。

「そっちは遠回りして来た方の道だ。
…帰りは別に必要ねぇだろ」

「…そっか…」

きゅっと、手に力を入れた。

「…何だよ、してぇのかァ、遠回り」

「…はい」

…何だろうな、この可愛いのは。

「だって、実弥さんとゆっくりお散歩なんて
なかなかできないので…
お祭り、終わっちゃうのも淋しいですし」

こいつの中では、
まだ、祭りは続いているらしい。

「んなこと言われちゃ真っ直ぐ帰れねぇな…」

仕方なしに方向転換した俺に
嬉しそうについてくる睦はやっぱり可愛くて
暗がりなのをいい事に
俺はぎゅうっと抱きしめた。




/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp