第14章 可愛い邪魔者
「天元が、…そうするんじゃない」
「そう、俺がお前をそうさせてんの…
可愛く堕ちる睦…最高…」
しっとりと唇を重ねてくる天元は
この上なく甘い…
あれ、なんか…
すっごく恥ずかしいこと言わされなかった…?
今更だけど……
唇をペロリと舐められて
ぴくっと肩に力が入る。
首にしがみついていた手が、
彼の髪を握り込んでしまって…
「相変わらず…敏感」
「……」
何となく悔しくて
片手で彼の耳を軽くひっぱってやる。
「……何のつもりだ?」
「…ほんの、腹いせ」
「また可愛いことを…」
ふわりと微笑んで、しつこく唇を合わせた。
何だろう、ふわふわしてきた。
夢なんだか、現実なんだか…
「睦……睦?」
「…ん…?」
天元の手が、ゆるりと身体をたどり出す。
あぁ、だめだ…流されてしまうのに…
されるがままになりかけている私を
彼は嬉しそうに眺めていた。
「可愛いな…俺を、赦す気になった…?」
優しく訊かれ、
私は弱々しくかぶりを振った。
「や…」
それでも、そっと触れてくる唇に反応してしまう。
「…1回だけで、終わるから…」
「う、そ…ばっかり…」
始めてしまえば最後。
朝まで終わるわけがない。
「じゃ朝までするから…」
「絶対…っダメ…」
「睦」
誘うように私の名前を呼び
頬を何度も撫でられる。
私はそれを止めたくて
自分の手をかけて押さえようとしたのに、
びっくりするほど力が入らない。
「あ、れ……?」
「…溺れそ?」
にやりと笑う天元に
やっぱり悔しさがこみ上げてきて
「…ちがう」
否定の言葉を口にするけれど
そんなの真実に聞こえるわけがない。
なかなか屈しない私に焦れたのか、
天元は実力行使に出た。
「…ぁ…っ」
自分の膝で私の足を割り
布越しにお互いを擦り付けてくる。
目の前に星が飛んだように見えた。
「あ、ぁっ…だ、め…っ」
「コレ、どうしたら、いい…?」
そんな事を訊かれたって…
私にはわからない。
「お前以外、どうにもできないのに…」
ただ大きく首を横に振るだけの私を眺め
「なぁ睦…」
うっとりと呟いた。