第14章 可愛い邪魔者
だめだ、こんなの耐えられない…
「はな、して…」
「ムリ…挿れさせて…」
直接的に強請られて
くらりと眩暈がした。
私に誘惑しろなんて言っておいて
自分が思い切り誘惑してるじゃない…
ぐっと強く腰を圧しつけたまま
何度も擦り上げられて
もう我慢できなくなっていく。
だめだっていうのはウソじゃない。
ほんとに、やめてほしいのに…
いつの間にか上げられた熱に
私の奥が疼いて仕方ない。
「お前も、欲しがれ」
躊躇う私に、
「善く、してやるから…」
ダメ押しの
「朝まで一緒にいてくれ」
殺し文句。
朝まで、なんて、よく言う。
別の場所に帰って行くわけでもなし、
私たちは結局一緒なのに。
それをわかっているのに
簡単に絆されてしまう自分にも呆れる…
しかも、喜んでるし…
ほんとどうしようもない。
ぎゅうっと
力を込めてしがみついたのを答えとして
彼は私の首筋を甘く噛む。
「んー…っ」
彼の襟元を握りしめて堪えた。
「俺と、…」
口づけながら諸肌脱いで
再び私の上に覆い被さった時には
あたたかい素肌…
それだけで、もう心地よくて
安心して、…
「一緒に、堕ちてくれるか…?」
優しい囁きを聞いて涙を零した私に
「睦のお願い、何でもきいてやるから…」
な?、と微笑んでみせた。
色っぽいのと、優しいのとが相まって
天元はとっても素敵…。
よっぽど惚けた顔をしていたんだろう、
私の顔を見て笑みを深めると
「可愛い睦…俺に、甘えてみな…?」
更に優しく囁き、
私の腰の下に腕を回して
畳から浮く程、下半身を持ち上げた。
こちらから
彼の反り立った男根に身を寄せる形になって
「ふあ、ぁ…」
力の抜けた声しか出せなくて、
回らない頭で
お願いしたいことって何かな、なんて考える。
「ねこ、ほしぃ…」
私はあまりにも頭が回っていなくて
しかも何を言っているのかもよくわからない。
「…んっとに、あんのくそチビ、
ろくなことねぇな…」
一瞬天元が凄みをきかせたことも
よくわからない私は、
「や…天元っ…こっち、見て…」
目をそらされた事が悲しくて
甘えた声で訴えた。