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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第14章 可愛い邪魔者





地上に戻って来た事がわかるのかな…。

「安心したねぇ」

よしよしと頭を撫でると、
うっとりと目を閉じた。
……。
眉間のあたりを指でくすぐると
ふわぁっと眠ってしまいそうになる。

あぁ、寝ちゃいそう…かわいい…。

指を止めると、ゆるっと目を開けた。
何でやめるの?と言われているような気がして
つい抱きしめた。
子猫の方からも私に寄り添ってきてくれる。

うぅ、たまらない。

頬ずりしていると、ぱっと、
腕の中から子猫が消えた。

「あれ…」

「あれじゃねぇ。もういいだろ」

恨めしそうな半開きの目をした
不機嫌そうな天元が、
指先で子猫を掴み上げていた。

「もう少しで寝そうだったのに…」

寝かせてあげたかった。

「睦の腕の中も気持ちいいが
こいつは母親の方がいいだろ」

え…?

「お母さん…?」

「そこまで迎えに来てる」

「そうなの⁉︎よかったねぇ子猫ちゃん!」

天元は片手の上に猫を持ち直し

「俺以外の男が
睦に甘えんのは許せねぇの」

小さなその子を睨んだ。
……。
その子、男の子だった?…

呆ける私を置いて、天元は庭へと出ていった。
子猫を相手に何を言っているのだろう…。
まさかの発言に呆れて、
でも背中がそわそわする。

…天元は、いつまであんなふうでいてくれるのかな。

手ぶらで部屋に戻って来た天元は
まだその場に座り込んだままの私を見て、
すぐ目の前に座ると
何も言わずに抱きしめた。

「…まだ震えてる」

「…うん」

「高ぇとこ、ダメなはずだろ。無茶しやがって」

「…あんな所で鳴いてるの見たら
助けなきゃって、思っちゃって…」

私の震えが止まるようになのか、
力を込めて引き寄せ、
抱え込んだ頭を何度も撫でてくれる。
私も彼にされるがまま…目を閉じた。

しばらくそうしていて、
私の震えも落ち着いてくる。
でも、
未だ彼の腕の中…

そろりと見上げてみると、
天元は厳しい目で、
じっと前を見据えたまま動こうとしない。
……

「天元、…あの、ありがとう…
もう、大丈夫…」

おずおずと口にする。
何となく、怒っているように見えたから。





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