第13章 輪廻
「可愛いな…」
俺のキスで簡単にイッた。
はぁはぁと呼吸を乱し、
余韻に浸っている睦は
俺にしなだれ掛かり言葉も失っている。
睦を抱き上げたまま
ベッドルームへ向かう。
広いベッドに下ろしてやり、
真上から見下ろした。
「睦…」
額にはりついた前髪をよけてやると
ゆっくりと瞼を開く。
目が合ったのを確認してから
俺は唇を寄せる。
ちゅっ、と口づけたのは、
驚くことに睦の方だった。
「……!」
「…天元…キスきもちい…」
多少整った呼吸の合間にそんな事を言う。
「…そりゃ愛してるからな」
「愛…?」
「そ。俺からの愛が、伝わったかよ…?」
頬を撫でてやると、
睦も同じように俺の頬を撫でる。
それはまるで、
俺から愛し方を学んでいるよう。
お返しとばかり、俺からもキスを返す。
睦は肩をすくめ目を逸らした。
「…なんだよ」
何となくイヤがられた気がして拗ねてみる。
でも睦は、
「だって…なんか、…どうしたらいいのか…
近いし…そんな目で、見ないでよ…」
視線を彷徨わせながら戸惑った。
俺から距離を取りたいのか
ベッドに深く沈み込もうとしているようだ。
「…ヘェ…俺、どんな目してる…?」
少しでも逃げようとしている可愛い睦を追うと
「っ!ち、近づいちゃダメ…」
両手で顔を覆ってしまう。
可愛い可愛い。
平気で俺のモノを咥えてた女とは思えねぇ。
「何でだ?」
わざとそんな事を訊きながら、
睦の服を脱がしにかかる。
「何でって…言われても…」
脱がされる事には全く抵抗はないらしい…
変わったヤツ。
…そうか、し慣れてる事は大丈夫か。
じゃやっぱり、愛して愛して愛し抜くしかねぇな。
聞きたい事がいくつかあったが、
こうなってしまってはそんなもの後回しだ。
「理由がねぇなら、別に近づいてもいいだろ?
俺はお前のそばにいたい」
頬同士を擦り合わせて囁くと
俺の肩に手を置いて
「…ゃ…!わ、わかってて、
そんなこと、しない、で…」
力無く訴える。